あらわ)” の例文
また〈王者の恩耆老に加わりまた事に応ずるはやければすなわちあらわる〉とあって、赤兎は〈王者の徳盛んなればすなわち至る〉とづ。
譬えば鍍金めっきせるものの角々に真のきじあらわるるが如しなどおもう折しも、按摩あんま取りの老いたるが入り来りたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
◎政治家とならんか、文学者とならんか、我は文学者をえらばん。政治家の技能はその局に当りその地位を得るに非ざればあらわれず。その局に当りその地位を得るは一半は材能により一半は年歯ねんしによる。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
優は蕩子とうしであった。しかしのちに身を吏籍に置いてからは、微官におったにもかかわらず、すこぶ材能さいのうあらわした。優は情誼じょうぎに厚かった。親戚しんせき朋友ほうゆうのその恩恵を被ったことは甚だ多い。優は筆札ひっさつを善くした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
東海の黄公少時げんを能くし蛇や虎を制するに赤金刀をぶ、衰老の後飲酒度を過ぐ、白虎が東海にあらわれたので例の赤刀を持ちまじないに行きしも術行われず虎に食われた
さて支那にも僧など暇多い故か、観察のくわしい人もあって、後唐の可止てふ僧托鉢して老母を養いあるきながら、青竜疏せいりょうそを誦する事三載みとせ、たちまち巨蟒うわばみあって房にあらわる。
太昊たいこう景竜の瑞あり、故に竜を以て官に紀す〉、また〈女媧じょか黒竜を殺し以て冀州きしゅうすくう〉、また〈黄帝は土徳にして黄竜あらわる〉、また〈夏は木徳にして、青竜郊に生ず〉など