“材能”の読み方と例文
読み方割合
さいのう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
材能さいのう伎芸ぎげいを以て奉承するは男芸者の職分である。廉恥を棄てて金銭を貪るものとするは、そのあえてせざる所である。紫玉が花山を排したのは曲が花山にあったのである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なまっているものは下席におらせる。それゆえ東京人、中国人などは材能さいのうがなくても重んぜられ、九州人、東北人などは材能があってもかろんぜられる。生徒は多く不平に堪えなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もとより人間は貧乏だからと云って、その材能さいのうの評価を減ずることはない。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)