“材幹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいかん50.0%
ざいかん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おれが自分の材幹さいかん値遇ちぐうとによつて、吏胥りしよとしてげられるだけの事を成し遂げた上で、身を引いた天保てんぱう元年は泰平であつた。民の休戚きうせき米作べいさく豊凶ほうきようかゝつてゐる国では、豊年は泰平である。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
自分のように、親から財産を譲られたものは、どうしても固有の材幹さいかんにぶる、つまり世の中と闘う必要がないからいけないのだともいっていました。この言葉は母も聞きました。私も聞きました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
事実、多少秀才の誉があったから、小室家の婿養子に望まれたのである。学校の落第必ずしも材幹ざいかんを否定しない。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
己は自分の能力や材幹ざいかんを、丁稚奉公に適当であると思った事は一遍もない。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)