“休戚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゅうせき75.0%
きうせき25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一身の小楽に安んじ錦衣きんい玉食ぎょくしょくするを以て、人生最大の幸福名誉となす而已のみあに事体の何物たるを知らんや、いわんや邦家ほうか休戚きゅうせきをや。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
なぜ、拙者がかかることが言えるかと申せば、出身が長州とは申しながら、拙者の致していること言っていることは一国一藩の休戚きゅうせきのことでないと自ら信じているからだ。
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
あそこで八年前に、憫むべきわたしの兄は瞑目した。神の慈愛はかれの上にあれ。兄の最後の数語は我等一族の休戚きうせきのために思を労したものであつた。絶息する一日前に、彼はわたしに謂つた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
おれが自分の材幹さいかん値遇ちぐうとによつて、吏胥りしよとしてげられるだけの事を成し遂げた上で、身を引いた天保てんぱう元年は泰平であつた。民の休戚きうせき米作べいさく豊凶ほうきようかゝつてゐる国では、豊年は泰平である。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)