“値遇”の読み方と例文
読み方割合
ちぐう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たまにそういう人で犬死にならないのは、値遇ちぐうを得た君臣の間に黙契があって、お許しはなくてもお許しがあったのと変らぬのである。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その年の秋、悟浄ごじょうは、はたして、大唐だいとう玄奘法師げんじょうほうし値遇ちぐうし奉り、その力で、水から出て人間となりかわることができた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
くだんのアントニウス尊者は紀州の徳本とくほん上人同様、不文の農家の出身で苦行専念でやり当てた異常の人物だ。その値遇ちぐうの縁で出家専修した者極めて多ければ、当時エジプトの人数が僧俗等しといわれた。