“値踏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねぶみ60.0%
ねぶ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東西の歴史は勿論、小説を見ても、脚本を見ても、おれの妻のやうな女はない。これもあらゆる値踏ねぶみを踏み代へる今の時代の特有の産物か知らんと、博士はこんな風な事を思つてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
眼前の利にのみ齷齪あくせくして世界に二つとない自国の宝の値踏ねぶみをするいとまさえないとは、あまりに小国人しょうこくじんの面目を活躍させ過ぎた話である。思わず畠違いへ例の口癖とはいいながら愚痴が廻り過ぎた。
この宿屋の客の値踏ねぶみをがんりきと七兵衛がする、どちらも商売柄、その見るところがたんとは違わない。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
前に申上げたやうな品物に、小倉の校服の上衣だの、硯だのを加へて、値踏ねぶみをさせますと、四十錢の上は一文も出せないといふんです。此方こつちの困つてるのに見込んだのですネ。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)