値踏ねぶみ)” の例文
東西の歴史は勿論、小説を見ても、脚本を見ても、おれの妻のやうな女はない。これもあらゆる値踏ねぶみを踏み代へる今の時代の特有の産物か知らんと、博士はこんな風な事を思つてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
眼前の利にのみ齷齪あくせくして世界に二つとない自国の宝の値踏ねぶみをするいとまさえないとは、あまりに小国人しょうこくじんの面目を活躍させ過ぎた話である。思わず畠違いへ例の口癖とはいいながら愚痴が廻り過ぎた。
我を値踏ねぶみす、かの人ら。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)