“くつきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
廓然36.4%
歴然18.2%
明瞭18.2%
劃然9.1%
截然9.1%
確乎9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其顏と柔かな肩の辷りが廓然くつきりと白い輪廓を作つて、仄暗い藥の香の中に浮んで、右に左に動くのは、女でもない、人でもない、影でもなければ、幻でもない。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
豊かな洗髪を肩から背に波打たせて、じつと川原に目を落して、これも烈しく胸を騒がせてゐる智恵子の歴然くつきりと白い横顔を、吉野は不思議な花でも見る様に眺めてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
渠は突然いきなり其硝子戸を開けて、腰を屈めて白木綿を潜つたが、左の肩を上げた其影法師が、二分間許りも明瞭くつきり垂帛カーテンに映つて居た。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
第一にをかしかつたのは「氏は黒い頭髮を中央から劃然くつきりと左右に分け紺セルの背廣服を着けたり」
ぽつ/\とむらがつた村落むら木立こだちいづれもこと/″\あかいくすんだもつおほはれてる。さうしてひくあひせつして木立こだちとのあひだ截然くつきりつよせんゑがいてそらにくほどさえる。さうだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
艶然ぱつとした中形單衣、夜目にも透いて見える襟脚の確乎くつきり白きに、烏羽玉色の黒髮を潰し島田に結んだ初初うひうひしさ、濃紫こむらさきの帶を太鼓に結んだ端が二寸許り
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)