廓然くつきり)” の例文
燃える樣な新しい煉瓦の色の、廓然くつきりと正しい輪廓を描いてるのは、何樣なにさま木造の多い此町では、多少の威嚴をたもつて見えた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其顏と柔かな肩の辷りが廓然くつきりと白い輪廓を作つて、仄暗い藥の香の中に浮んで、右に左に動くのは、女でもない、人でもない、影でもなければ、幻でもない。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其顔と柔かな肩の辷りが廓然くつきりと白い輪廓を作つて、仄暗い薬の香の中に浮んで、右に左に動くのは、女でもない、人でもない、影でもなければ、幻でもない。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
廓然くつきりと正しい輪廓を描いてるのは、何様木造の多い此町では、多少の威厳を保つて見えた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)