“彼地”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かのち37.9%
あちら29.3%
あっち13.8%
あすこ3.4%
あつち3.4%
あしこ1.7%
あそこ1.7%
あち1.7%
あれ1.7%
かしこ1.7%
(他:2)3.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“彼地”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸3.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
余が倫敦ロンドンに居るとき、忘友子規の病を慰める為め、当時彼地かのちの模様をかいて遙々はるばると二三回長い消息をした。
その後軽井沢に避暑している友人の手紙の中に、彼地かのちでランプを売っている店を見たと云ってわざわざ知らせてくれた。
石油ランプ (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
(A crew of Coxswains.)とぼく達は彼地あちらの新聞に、一言で、かたづけられていたものです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
けれどチベットの方が余程よいと言って彼地あちらからわざわざ取り寄せる位ですから、チベット人にはこれが最も適当した食物であります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
実は祇園の芸妓だがね、私がこの間、彼地あっちへ行っていたもんだから、路之助が帰るのに先廻りをして、私を便って来たらしい。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「オヤ厭だ……モウちっ彼地あっちの方へ行て見ようじゃ有りませんか」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
尤も耶蘇は平気で葡萄酒を飲むだが、日本の基督教は耶蘇が一度も往つた事のない亜米利加を経て来たもので、彼地あすこは植民地だけにい酒がない。
伊予の松山は日露戦争以来このかた俘虜の収容地になつてゐるので、そんな事から彼地あすこの実業家井上かなめ氏は色々いろんな方面の報道を集めて俘虜研究をつてゐる。
と、留学中の総決算をする積りで、腹のうち彼地あつちであつた色々の事を想ひ出してみた。そして鳥のやうにひとりでにや/\笑つてゐた。
唯今ただいま絆創膏ばんそうこうを差上げます。何しろ皆書生でございますから随分乱暴でございませう。故々わざわざ御招おまねき申しましてはなはだ恐入りました。もう彼地あつちへは御出陣にならんがよろしうございます。何もございませんがここで何卒どうぞ御寛ごゆるり」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よしかへらずとて彼地あしこはお前樣まへさまのおやしきゆゑ、成長おほきうなりたまふまでのお留守居るすゐ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あそこ——お藤のほか誰も人の知らない彼地あそこへ!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ほら、ほら、ほら。てて彼地あちから帰って見えた。父が見えたろ、父が——」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
から、彼地あれから小石川へ下りて、其処此処そこここ尋廻たずねまわるうちに、ふと水道町すいどうちょうで一軒見当てた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
みたしとならば彼地かしこませ、きなことでも松風まつかぜはし、氣儘きまヽくらさせるがめてもと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
抑又はたまた塩土老翁しほつちのをぢに聞きしに曰く、東に美地よきくに有り、青山四周よもにめぐれり、……われおもふに、彼地そのくには必ずまさに以て天業あまつひつぎのわざ恢弘ひろめのべ天下あめのした光宅みちをるに足りぬべし、けだ六合くに中心もなかか。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「そうサ東京へ。旅費はもうできたが、彼地むこうへ行って三月ばかりは食えるだけの金を持っていなければ困るだろうと思う。だから僕は父に頼んで来年の三月までの給料は全部僕が貰うことにした。だから四月早々は出立たてるだろうと思う」
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)