“さだか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サダカ
語句割合
33.3%
定高20.0%
分明13.3%
明確13.3%
了然6.7%
決定6.7%
的確6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と詠みしも今の棧橋かけはしの所にては有まじ四五丁のぼりかけて谷に寄たるかたに土地の者の行く近道あり折々此の近道あれど草深く道の跡もさだかならであやふければ是を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
同時に、本花道ほんはなみちからしずかにあゆみ出た切髪きりかみの女は太宰の後室定高さだかで、眼の大きい、顔の輪廓のはっきりして、一種の気品をそなえた男まさりの女、それは市川団十郎である。
島原の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
家の中には、生木の薪を焚く煙が、物の置所も分明さだかならぬ程にくすぶつて、それが、日一日、破風はふから破風と誘ひ合つては、腐れた屋根に這つてゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
再び女を捉へようと焦慮あせるけれど、女は其度男と反對の方へ動く、妙に落着拂つた其顏が、着て居る職服きものと見分けがつかぬ程眞白に見えて、明確さだかならぬ顏立の中に
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
かの了然さだかならざりし形はこの時あきらかに輝かされぬ。宵にべかりし狂女のたたずめるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
塀際へいぎはに添ひて人のかたち動くと見えしが、なほ暗くて了然さだかならず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
如此かくのごと決定さだかにそれとは無けれど又有りとし見ゆる箒木ははきぎの好運を望みつつも、彼は怠らず貫一を愛してゐたり。貫一は彼の己を愛する外にはその胸の中に何もあらじとのみ思へるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
第一「あんた、居やはりますか。」さて、思うに、「あの、居なはるか。」とおとずれたのだか、それさえ的確さだかではないのだそうであるから、構わず、関東の地声でもってやッつける。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)