“切髪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりがみ57.1%
きりかみ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ですから茂作が重病になると、稲見には曽祖母そうそぼに当る、その切髪きりがみの隠居の心配と云うものは、一通ひととおりや二通ふたとおりではありません。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その人はよはひ六十路むそぢ余にかたふきて、顔はしわみたれど膚清はだへきよく、切髪きりがみかたちなどなかなかよしありげにて、風俗も見苦からず、ただ異様なるは茶微塵ちやみじん御召縮緬おめしちりめん被風ひふをも着ながら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その時、切髪きりかみ白髪しらがになって、犬のごとくつくばったが、柄杓の柄に、せがれた手をしかとかけていた。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同時に、本花道ほんはなみちからしずかにあゆみ出た切髪きりかみの女は太宰の後室定高さだかで、眼の大きい、顔の輪廓のはっきりして、一種の気品をそなえた男まさりの女、それは市川団十郎である。
島原の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)