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城廓
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じょうかく
ふりがな文庫
“
城廓
(
じょうかく
)” の例文
「ここにおられる、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
どのが、苦心してうつされたもの。すなわち、自然の山を
城廓
(
じょうかく
)
として、七陣の兵法をしいてあるものじゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方の端に何となく
城廓
(
じょうかく
)
を思わせる様な大きな屋根があって、その側に白く光っているのが、問題の諸戸屋敷の土蔵らしかった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なにしろ、一夜明けると、
城廓
(
じょうかく
)
のような大建築物が地上から完全に姿を消してしまったのだから、驚くのも無理はない。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれどもここの旧家
山田
(
やまだ
)
氏というのは、堂々たる邸宅を構え、白壁の長屋門、黒塗りの土蔵、遠くから望むと、さながら
城廓
(
じょうかく
)
の如くに見えるのであった。
丹那山の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
城廓
(
じょうかく
)
のように
聳
(
そび
)
えた建築物と建築物の間には積重ねた
煉瓦
(
れんが
)
の断面のあらわれたのが高く望まれるように成った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
親類の人が時々来ては見て行きはしますけれども、小さな
城廓
(
じょうかく
)
ほどもある屋敷を、ともかく、これだけに手入れをしているのは、与八の働きといわねばなりません。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小さいながらも、彼女の
城廓
(
じょうかく
)
があった。
殊
(
こと
)
に盲目的に、彼女を
護
(
まも
)
っている勝彦と
云
(
い
)
う番兵もあった。が、葉山には、何もなかった。彼女は赤手にして、敵と渡り合わねばならなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
私は犬に
吠
(
ほ
)
えられながら、昔住んでいた家の回りに
佇
(
たたず
)
んでいましたが、ふと眼を放った向うの坂上に、昔ながらの石垣の上に、厳然と
城廓
(
じょうかく
)
のようにそびえ立っている、棚田の家を見ると
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
しかるにこの山の中腹に一座の
城廓
(
じょうかく
)
が聳えていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それからおしてもここはかなりの高地にちがいないが、この山そのものがあたかも
天然
(
てんねん
)
の一
城廓
(
じょうかく
)
をなして、どこかに人工のあとがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
岩瀬邸はいまや小さい
城廓
(
じょうかく
)
であった。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
急築粗造ではあるが、
城廓
(
じょうかく
)
様式の形は備えているので、この大岩山のそれも一つの城といってさしつかえない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから程経て、彼女の美しい死骸は、
城廓
(
じょうかく
)
の東の丘に発見された。良人元祐の首を前に置き、一枝の花を供えて、そのまえで見事に自害していたのである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、這うが如く、なお断崖のへりまで行くと、眼の下の盆地に、
忽然
(
こつぜん
)
と、
鮮
(
あき
)
らかな
城廓
(
じょうかく
)
が望まれた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
城廓
(
じょうかく
)
の儀ではありません。——近年、御定住と聞く
安芸国
(
あきのくに
)
で、安国寺という
伽藍
(
がらん
)
を」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『されば親代々、お
扶持
(
ふち
)
を
賜
(
たま
)
わって、ここに住居しておる曾我部兵庫。小さくとも、貧しくとも、侍の家は一
城廓
(
じょうかく
)
です。誰のゆるしを受けてこの門内へ、踏み込もうと召されるか』
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「博学な貴公なれば、御存じかも知れぬが、現在、日本中の数ある
城廓
(
じょうかく
)
のうちで、
天守閣
(
てんしゅかく
)
というものを築いておる城は、幾つありましょうか。また、どことどこの城がそれを備えておりましょうや」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
城廓
(
じょうかく
)
のはずれまで行って、北のほうを、眺めていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(安土の
城廓
(
じょうかく
)
は、外見だけはあらましできたようなものの、実体内容までの完成には、すくなくもまだ二年半はかかる。あれが完成しては、もはや越後と京都の道はないといっていい。討つならいまが絶好の機)
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城
常用漢字
小4
部首:⼟
9画
廓
漢検準1級
部首:⼴
14画
“城”で始まる語句
城
城砦
城址
城下
城普請
城塞
城戸
城山
城跡
城壁