乗客じょうかく)” の例文
旧字:乘客
余は車に揺られながら、乗客じょうかくの神経に相応の注意を払わない車夫は、いかによくけたって、ついに成功しない車夫だと考えた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう七八分すると、余の船は全く営口丸を乗り切る事ができそうに思われた。時に約一丁もあろうと云う船と船の間隔が妙にせまって来た。向うの甲板にいる乗客じょうかくの影がたしか勘定かんじょうができるようになった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)