“もくず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
藻屑89.7%
木頭2.6%
海藻2.6%
藁屑2.6%
藻芥2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すでに、海底の藻屑もくずと消えたはずの父ステツレルの顔が、つぶれた左眼を暗くくぼませて、寒々とこちらを見返しているのだ。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
デモ持主は得意なもので、髭あり服あり我またなにをかもとめんと済した顔色がんしょくで、火をくれた木頭もくず反身そっくりかえッてお帰り遊ばす、イヤおうらやましいことだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「それだけか」と、トム公の影は海藻もくずの中を泳ぐ縞鯛しまだいのように、ぴちぴちと、正確な針路を探って、青い庭園の闇をわけて行った。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土間には坐るべき荒むしろと、腰をかくべき切株などあり。ほかにすきくわの農具あり。打ちかけたる藁屑もくずなど散乱す。下のかたには丸太を柱ととしたる竹門あり。門の外には大樹あり。
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「そうです。まさに、あの殺人鬼の幻想的ファンタスティックな遊戯なんですよ。しかし、これに海人あまの藻芥もくず(犬射の雅号)という署名はないにしても、いずれは、誰かの雅号となって、現われずにはいますまい」
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)