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くわいさう
語句 | 割合 |
回想 | 55.6% |
囘想 | 11.1% |
懷想 | 11.1% |
回漕 | 11.1% |
廻漕 | 11.1% |
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『イヤそう
眞面目に
問はれては
困る。
僕は
小兒の
時を
回想して
當時の
學校を
懷しく
思ふだけの
意味で
言つたのです』とハーバードは
罪のない
微笑を
浮べて
言譯した。
殊に自分が過去の経歴を
囘想すれば、
蘿月は
長吉の心の
中は問はずとも底の底まで
明かに
推察される。
「へーえ、役者になりたい。」
訝る
間もなく
蘿月は七ツ八ツの
頃によく
三味線を
弄物にした
長吉の
生立ちを
囘想した。「
当人がたつてと望むなら
仕方のない話だが………困つたものだ。」
それから
又た
自分が
學校時代によく
進撃した
藪そばや
梅月の
事や、
其他樣々な
事を
懷想して、
翼あらば
飛んでも
行きたいまで
日本の
戀しくなつた
事も
度々あつたが
私の
如く
現在其難に
臨んで、
弦月丸が
悲慘なる
最後を
遂ぐるまで、
其甲板に
殘つて
居つた
身は、
今更其始終を
懷想しても
身の
毛の
彌立つ
程で、とても
詳しい
事を
述立てるに
忍びぬが
それから幕府の命令で江戸に米を
回漕して、京都へ
遣らない。それをも不公平だと思つた。
殊に去年から与力内山を使つて東町奉行
跡部の
遣つてゐる
為事が気に食はぬ。
幕命によつて江戸へ米を
廻漕するのは好い。