“かんがへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
60.5%
思慮11.6%
考慮7.0%
思想4.7%
考量2.3%
勘考2.3%
回想2.3%
思考2.3%
2.3%
所見2.3%
省慮2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
氣樂きらくかんがへで、參禪さんぜんしてゐるひともあるとおもふと、宗助そうすけ多少たせうくつろいだ。けれども三にんわかれ/\に自分じぶんへやはひとき宜道ぎだう
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
世間の多くの人たちは何もかも神樣におまかせして安心しようとします。ですが神樣は私共が思慮かんがへ深くしてゐますときにはお惠みを下さいますが、神樣でもわざはひを防ぐ手だては下さいませんですから。
かんがへると、無限むげん悲哀かなしくなつて、たゞ茫然ぼうぜん故國こゝくそらのぞんで、そゞろに暗涙あんるいうかべてとき今迄いまゝで默然もくねんふか考慮かんがへしづんでつた櫻木大佐さくらぎたいさは、突然とつぜんかほげた。
『私だつて然う思ふわ、小母さん、真箇ほんとに……。』と言ひかけたが、何かしら不図胸の中に頭を擡げた思想かんがへがあつて言葉は途断れた。『神様の思召よ。人間ひとの勝手にはならないんですわね。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お前は自身に供給するに足るほどのかねがあつたら、その上に望む必要は無いと言ふのぢやな、それが学者の考量かんがへじやと謂ふんじやが。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けれどもじや、それが誨へて上げられんのは、僕が貴方であつたらかう為ると云ふ考量かんがへとどまるので……いや、いや、そりやいはれん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
能々よく/\勘考かんがへ質物しつもつを貸て遣す程の懇意こんいなるをまさかに忍びこみ殺害せつがいは致すまじと思はるれど夫共彦兵衞に相違さうゐなきやと念を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ば言ひ出してひよなさわぎに成たりと酒も何處どこへかさめゆきいろ戀路こひぢ消果きえはててこはそも如何にとあきれ果十方に暮て居たりしが忠兵衞はにげもされねばこれまち給へお光殿御番所へ駈込かけこんでも外事ほかこと成ぬ大事の一でう人の命に關る事先々とく勘考かんがへてと言紛いひまぎらすを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまになつて回想かんがへると、三ねん月日つきひもさて/\はやいものだ。
つらぬくは劔難けんなんの相にて三十日たゝざる内にやいばかゝ相果あひはつるの相なり斯る不徳ふとく凶相きようさうにして將軍の御子樣とは存じ奉りがたし越前守が思考かんがへには御品は實なれど御當人に於てはなにともあやしく存ずるなり愚案ぐあん御目鏡おめがねにはそむき候へども何卒なにとぞ此御身の上は今一おう越前へ吟味ぎんみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いいえ、世間の女はさうでないやうだ。それと云ふが、女と云ふ者は、かんがへが浅いからして、どうしても気が移りやすい、これから心が動く——不実を不実とも思はんやうな了簡も出るのだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
満枝は、彼のことばの決していつはりならざるべきを信じたり。彼の偏屈なる、にさるべき所見かんがへを懐けるも怪むには足らずと思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其人の前で、私に帰れなんて——すこし省慮かんがへの有るものなら、彼様あんなことの言へた義理ぢや無からう。彼様あゝいふことを言出されると、折角是方こつちで思つたことも無に成つて了ふ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)