“かんが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
78.6%
7.0%
官衙4.8%
閑雅2.5%
1.8%
1.8%
0.6%
思考0.6%
0.4%
思慮0.3%
0.3%
嫻雅0.1%
勘考0.1%
嫺雅0.1%
0.1%
0.1%
考想0.1%
考慮0.1%
黙考0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わすれてゐることはないかとかんがへて見るが、萬事手はづとゝのつてゐる。そこで金太郎は、二時間といふわづかな時間をもてあましてしまふ。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
だがこの論議は、その影響するところの重大性にかんがみ、明らかなる国名は新聞や放送には発表されなかった。つまり遠慮されたのである。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
いでわたくしは保さんをおうと思っていると、たまたまむすめ杏奴あんぬが病気になった。日々にちにち官衙かんがにはかよったが、公退の時には家路を急いだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ここの炉も床の間も、改めて見直せば、元は茶屋にでも使っていたらしい閑雅かんがな造りなのである。そこの小床ことこの棚に、彼の眼をひいた物がある。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七十一座の神々にまいらする相嘗祭への弊物に、種目数量の若干の異同があったことは、何かそれぞれの理由が有ったはずだが、それをかんがえてみる力は今の私にはない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
〔譯〕がく之を古訓こくんかんがへ、もん之を師友にたゞすは、人皆之を知る。學必ず之を躬に學び、問必ず諸を心に問ふは、其れ幾人有らんか。
コノお召縮緬ちりめん小袖こそでを仕立直おさして、あれをこうしてこれをこうしてと、毎日々々かんがえてばッかいたんだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私も甚だやりにくいように思考かんがえたことでありました。
風説をすれば影がさす——先哲の識語にかんがみて、温泉宿には薄暗い長廊下が続く処、人の居ない百畳敷などがあるから、逗留中、取り出ては大提灯の怪を繰返して言出さなかったし
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、かれももう思慮かんがへること無益むえきなのをさとり、全然すつかり失望しつばうと、恐怖きようふとのふちしづんでしまつたのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「そんなにかんがえることはないじゃないか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
博士も僕等も部屋を定めて置いてから夕飯ゆふめし迄の時間を利用して見物に出掛けた。歴史上幾多の事蹟をとゞめた旧い街だけあつて一体に嫻雅かんがおもむきに満ちた物静ものしづかな土地である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
夫人よ、厚顔にもあなたに対して手紙を書いた事をうぞおゆるし下さい。私に取つて会話の際に甚だ嫻雅かんがであると想像せられるあなたの国語を解しないと云ふ事は甚だ遺憾に存じます。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
以つて右忠兵衞儀御呼出よびいだし御糺しの上長庵召出めしいだされ御吟味成し下しおかれ夫道十郎の惡名相雪あひそゝぎ候樣ひとへに願上度之れによつ此段このだん奉歎願たんぐわんたてまつり候以上赤坂傳馬町二丁目後家願人みつ 差添清右衞門 家主長助 享保二年三月 南御奉行樣 右の通り訴状そじやうしたゝめ長助猶も倩々つく/″\勘考かんがへけるに此事件は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼らは貴賤、大小、老幼、賢愚と等しく交わり、その態度は嫺雅かんが優美なりというもおろか、愛情はその目より輝き、その唇に震う。
武士道の山 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたくしいまときならぬ輕氣球けいきゝゆうこの印度洋上インドやうじやうみとめ、ことその乘組人のりくみにん一人ひとり櫻木大佐さくらぎたいさ片腕かたうではれた武村兵曹たけむらへいそうであつたのでかんがへると、いま孤島こたう櫻木君さくらぎくん身邊しんぺんには、なに非常ひじやう異變ゐへんおこつて
(三) 子曰く、周は二代にかんが郁郁乎いくいくことしてぶんなるかな。吾は周に従わん。(同上、一四)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たゞわけもなく考想かんがへてうちにふとおもうかんだ一事ことがある。
私はカクストン氏の思惑などを考慮かんがえる暇がなかった。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
... 夫だから持物や懐中物は一個ひとつも無いのだ、エ何うだ恐れいったか」大鞆は暫し黙考かんがえて
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)