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鑑
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かんが
ふりがな文庫
“
鑑
(
かんが
)” の例文
日本の
稲作
(
いなさく
)
灌漑
(
かんがい
)
様式は、その発達の跡に
鑑
(
かんが
)
みて、明らかに四段階に分かれており、しかも現在なおこの四つの型が
併
(
なら
)
び存している。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
だがこの論議は、その影響するところの重大性に
鑑
(
かんが
)
み、明らかなる国名は新聞や放送には発表されなかった。つまり遠慮されたのである。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
聞
(
き
)
けばこの
村
(
むら
)
はかつて
壯丁
(
そうてい
)
の
多數
(
たすう
)
が
出漁中
(
しゆつりようちゆう
)
に
火
(
ひ
)
を
失
(
しつ
)
して
全村
(
ぜんそん
)
灰燼
(
かいじん
)
に
歸
(
き
)
したことがあるさうで、これに
鑑
(
かんが
)
みて
其後
(
そのご
)
女子
(
じよし
)
の
消防隊
(
しようぼうたい
)
をも
編成
(
へんせい
)
し
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
おそらく祭政一致の行なわれがたいことを知った政府は、諸外国の例なぞに
鑑
(
かんが
)
みて、政教分離の方針を執るに至ったのであろう。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今日こんな話はあまりに夢のように聞えるかも知れぬが、過去百年間の歴史に
鑑
(
かんが
)
みればそのくらいな事は出来るはずだと云ったと聞き及ぶ。
話の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
異
(
ちが
)
った人種はよろしく、その容貌体格習慣挙動の凡てを
鑑
(
かんが
)
みて、一様には論じられない特種のものを造り出すだけの苦心と勇気とを要する。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
初等教育に対する職務上の熱心もあったろうが、子供の多いに
鑑
(
かんが
)
みて家計上の都合もあった。しかしその頃の卓造君はそんなことに頓着なく
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
これ初度の子が死んで二度めの子が生まれぬ間に記憶と想像と考慮を働かせ、前駒の死に
鑑
(
かんが
)
みて今度生まれたらこうしようと案じた結果だと。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかしてその不斉一その粗悪なるは、その製出者と営業者とに徳義心を欠くが故なりというも
可
(
か
)
なり、
鑑
(
かんが
)
みざるべけんや。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
今日はこういう問題があったがどうしたものだろうと言うと、前大臣は前例を
鑑
(
かんが
)
み、あるいはその事変に応じてそれぞれの処分法をば言われる。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そこで私生児志願者が続々と輩出しそうな今後の形勢に
鑑
(
かんが
)
みて、僕のようにとてもろくな私生児にはなれそうもないものは、まず観念の眼を閉じて
片信
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「そこで我々はこの点に
鑑
(
かんが
)
み、第二回目の冒険においては、何より人数を多く集め、一層準備を完全にしたいとこのように思うのでございます……」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
また失敗があらばその失敗に
鑑
(
かんが
)
みて成功の企てをしなければならん。ここに於て私は熱心に成瀬君の説に同意した。
国民教育の複本位
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
先生御在世中の御素行に
鑑
(
かんが
)
み、飲食費等の冗費としては半銭も支出致しておりません事をひそかに喜んでおります。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
今度
(
こんど
)
は
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
は、それに
鑑
(
かんが
)
みて、
途中
(
とちう
)
からでは
足許
(
あしもと
)
を
見
(
み
)
られるといふので、
宿車
(
やどぐるま
)
に
乘
(
の
)
つて
家
(
うち
)
を
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
多少俳句に心得ある人、
徒
(
いたず
)
らに大観の趣味を解したるまねしてこの種の句を為す者、往々陳腐に陥りまたは
茫漠
(
ぼうばく
)
解すべからざるに至る。
鑑
(
かんが
)
みる所あるべし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
放
(
ほ
)
ったらかしにただ連れていた城太郎の結果に
鑑
(
かんが
)
みて、伊織には意識的に、師であろうとしているためだった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この一時に
鑑
(
かんが
)
みても男子は女子を保護するの義務が
天然
(
てんねん
)
に備わっていると思われる。ゆえに男一匹に欠くべからざる要素は女性に対して保護者となるにある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ここに
鑑
(
かんが
)
みる所があって、われ等は神の真理の一部を伝えるべく、新たに特派されたのである。
然
(
しか
)
るにわれ等の選べる霊媒の心には、すでに何等かの定見が出来て居る。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
いくら個人主義が
流行
(
はや
)
る世の中だって、こう
町々
(
まちまち
)
に
我儘
(
わがまま
)
を尽くされては持主の迷惑はさこそと思いやられる、主人もここに
鑑
(
かんが
)
みるところあって近頃は
大
(
おおい
)
に訓練を与えて
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嗚呼
(
あゝ
)
一国民も亦た無常の風を免れじ、達士世を観ずる時、
宜
(
よろ
)
しく先づ命運の帰するところを
鑑
(
かんが
)
むべし、若し我が国民にして、果して秋天霜満ちて樹葉、黄落の暁にありとせんか
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
坂の途中でマスクを外して、一息つき、そして名曲堂の前まで来ると、表戸が閉つてゐて「時局に
鑑
(
かんが
)
み廃業仕候」と貼紙がある。中にゐるのだらうと、戸を
敲
(
たた
)
いたが、返辞はない。
木の都
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
当藩主池田侯は隠れなき名君と聞き及べども、まことの武士を
鑑
(
かんが
)
みるの明なく、我れ
之
(
これ
)
に仕うるを
廉
(
いさぎよ
)
しとせず。即ちかえって侯に捧ぐるに暇を以てす。世人批判を誤ることなかれ。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
太祖の
深智
(
しんち
)
達識
(
たっしき
)
は、まことに
能
(
よ
)
く前代の
覆轍
(
ふくてつ
)
に
鑑
(
かんが
)
みて、後世に長計を
貽
(
のこ
)
さんとせり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
然り而して其の文を
観
(
み
)
るに、各々
奇態
(
きたい
)
を
奮
(
ふる
)
ひ、
啽哢
(
あんろう
)
真
(
しん
)
に
逼
(
せま
)
り、
低昂宛転
(
ていかうゑんてん
)
、読者の心気をして
洞越
(
どうゑつ
)
たらしむるなり。事実を千古に
鑑
(
かんが
)
みらるべし。
余
(
よ
)
適
(
たまたま
)
鼓腹
(
こふく
)
の閑話あり、口を
衝
(
つ
)
きて吐き
出
(
い
)
だす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
六食二日分の量にしては少し多いのであるけれども、前回の苦い経験に
鑑
(
かんが
)
みて、余分の糧食を携えたのである。空は晴れたが雲は頻りに飛んで、間近く見える筈の
破風
(
はふ
)
も
木賊
(
とくさ
)
も姿を露さない。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
これ等の諸点に
鑑
(
かんが
)
みて、私は、
茲
(
ここ
)
に、子供研究社創刊の童話雑誌「お話の木」を主宰するに当たり、多年
翹望
(
ぎょうぼう
)
したる好機として、真の児童文化のために起ち、全力を之に致さんことを誓います。
『お話の木』を主宰するに当たりて宣言す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
鑑
(
かんが
)
みるべき事である。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
以上述べたる所に基づき、また現在科学の進歩程度に
鑑
(
かんが
)
みて天気予報と地震予報とを対照すれば、その間の多大の差異あるを認めざるを得ず。
自然現象の予報
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
人種の発達と共にその国土の底に深くも根ざした思想の
濫觴
(
らんしょう
)
を
鑑
(
かんが
)
み、幾時代の遺伝的修養を経たる忍従棄権の
悟
(
さと
)
りに、われ知らず
襟
(
えり
)
を
正
(
ただ
)
す
折
(
おり
)
しもあれ。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『観』とはなんぞや? 答えましょうかな。『
鑑
(
かんが
)
みる』ということでござる。『見』とはなんぞや? 答えましょうかな。『直ちに見る』ということでござる。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
斯
(
かゝ
)
る
風聞
(
ふうぶん
)
聞
(
きこ
)
えなば、
一家中
(
いつかちう
)
は
謂
(
い
)
ふに
及
(
およ
)
ばず、
領分内
(
りやうぶんない
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
まで
皆
(
みな
)
汝
(
なんぢ
)
に
鑑
(
かんが
)
みて、
飼鳥
(
かひどり
)
の
遊戲
(
あそび
)
自然
(
しぜん
)
止
(
や
)
むべし。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そうして世界の大勢に
鑑
(
かんが
)
みて、直接時勢に交渉のある活学を教えるようにしたいものだと言い出した。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
武家政道の歴史に
鑑
(
かんが
)
みて、一朝、見るに見かねる暴状でも世に行われれば、いつ
何時
(
なんどき
)
でも、朝廷方の御名をかりて、武家をあいてに戦うお心を抱いておられるのじゃ
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢張り会社と銀行が一番儲かると見えて、僕の同級生ばかりでなく、
屈竟
(
くっきょう
)
な男が皆これへ入りたがる。友達の家庭に
鑑
(
かんが
)
みても、会社員銀行員を父兄に持つものが多い。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この
趨勢
(
すうせい
)
に
鑑
(
かんが
)
み、中年から皇国古典の道を聞いて、大いに松雲も省みるところがあった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
現中央政界の大御所とも言うべき大勲位、公爵、殿宮
忠純
(
ただすみ
)
老元帥の嫡孫に当っているが、意外の悲劇に直面して悲歎に暮れつつも、該遺書内容の重大性に
鑑
(
かんが
)
み、家門の名誉のため
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし今ここにリー将軍の伝記を述べる考えはない。僕は
彼
(
かれ
)
のいわゆる失敗せるに
鑑
(
かんが
)
みて、そもそも失敗とはいかなるものであるかという事について、少しく感じたことを述べたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
豈
(
あ
)
に
鑑
(
かんが
)
みざるべけんや。
兆民居士安くにかある
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
しかし今は時勢に
鑑
(
かんが
)
みまた自分の衰老を省みて、今なおわたくしの旧著を精読して批判の労を
厭
(
いと
)
わない人があるかと思えば
満腔
(
まんこう
)
唯感謝の情を覚ゆるばかりである。
正宗谷崎両氏の批評に答う
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼の出現当時の
亜剌比亜
(
アラビア
)
は、婦人を
兼併
(
けんぺい
)
するの
弊
(
へい
)
実に甚しきものあり、彼に至ってこの弊に
鑑
(
かんが
)
みて、その数をば五人というが如くに幾らか制限したのであったが、またソロモンと同じく
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
当方の現状に
鑑
(
かんが
)
みて僕は再びこの方式を主張する。君、脈があるどころじゃないぜ。何うも君は
他
(
ひと
)
のことだと思って諦めが好過ぎるから困るよ。とはいうものゝ、実は僕も昨日は悲観した。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いったん官有地として処分済みの山林も古来の証跡に
鑑
(
かんが
)
み、人民の声にもきいて、さらに民有地に引き直された場合は他地方にも聞き及ぶ
旨
(
むね
)
を申し立て、その例として飛騨国、大野、
吉城
(
よしき
)
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一たん仰せ出された儀を、このまま
有耶無耶
(
うやむや
)
に過しては、あとあとの
御威令
(
ごいれい
)
にもかかわりましょう。父孝高の潔白と功に
鑑
(
かんが
)
み、松寿丸の打首は免じるが、然るべきよう子としても
証
(
あかし
)
を立てよ。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可
(
よ
)
い
抱妓
(
かかえ
)
の一人も置いてやろう、と言うものがあったけれども、母親はこれを
己
(
おのれ
)
に
鑑
(
かんが
)
み、たといそうして所得が有って身代が出来た処で、
汚
(
けが
)
れた金で蝶吉を
救出
(
すくいだ
)
しては、きっと末がよくあるまい。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三代将軍
家光
(
いえみつ
)
の時代まで怠らなかったという入朝の儀式を復活したものであり、当時の常識とも言うべき大義名分の声に
聴
(
き
)
いて幕府方においてもいささか
鑑
(
かんが
)
みるところのあった証拠であり
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これを四十四年後に於ける
今日
(
こんにち
)
の時勢に比較すると、吾々は殊にミリタリズムの暴圧の下に萎縮しつゝある思想界の現状に
鑑
(
かんが
)
みて、
転
(
うた
)
た夢の如き感があると云つてもいゝ。然し自分は断つて置く。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
狡智
(
こうち
)
をしぼって、彼の案出したのが、
西洞院
(
にしのとういん
)
の西の空地へ、吉岡流兵法の
振武閣
(
しんぶかく
)
というものを建築するという案で——社会の実態を
鑑
(
かんが
)
みるに、いよいよ武術は
旺
(
さかん
)
になり、諸侯は武術家を要望している。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と報告したら、岡村さんは悌四郎君の先例に
鑑
(
かんが
)
みて、
直
(
す
)
ぐに
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
古今の事蹟を
鑑
(
かんが
)
み人物の成敗を論評せんと欲するものではない。
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鑑
常用漢字
中学
部首:⾦
23画
“鑑”を含む語句
鑑定
鑑識
鑑別
鑑定家
亀鑑
鑑賞
殷鑑
眼鑑
資治通鑑
東鑑
目鑑
通鑑
御鑑定
中山世鑑
品花宝鑑
豊鑑
龜鑑
武鑑
鑑札
門鑑
...