“木賊”の読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
とくさ100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこかが少しきつく当たって痛むような場合に、その場所を捜し見つけ出してそこを木賊とくさでちょっとこするとそれだけでもう痛みを感じなくなる。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
顔を洗いながら裏庭を見ると、昨日きのう植木屋の声のしたあたりに、さい公札こうさつが、あお木賊とくさの一株と並んで立っている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
Nさんは氷嚢ひょうのうを取り換えながら、時々そのほおのあたりに庭一ぱいの木賊とくさの影がうつるように感じたと云うことである。
春の夜 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ト、海月くらげの骨を得し心地して、その翌日あけのひ朝未明あさまだきより立ち出で、教へられし路を辿たどりて、木賊とくさが原に来て見るに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
一杯飲んでいる内には、木賊とくさ刈るという歌のまま、みがかれづる秋のの月となるであろうと、その気でしのノ井で汽車を乗替えた。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と手を振っていなむので、ではとぜひなく、後日の会合を約して、四ツ目屋の新助とお蝶のかごは、木賊とくさ谷をくだって山つづきの深くへ影を消しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左の山は陸測五万の金峰山図幅に二千四百六十八米と測られたもので、栃本の猟師は木賊とくさ沢ノウラ、梓山の猟師は雲切山と呼んでいる。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
さるによつて明日あすよりは、木賊とくさヶ原はら朱目あかめもとに行きて、療治をはんといふことまで、怎麼いかにしけんさぐりしり
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「松葉色の様なる御納戸」とか、木賊とくさ色とか、鶯色とかは、みな飽和度の減少によって特に「いき」の性質を備えているのである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
私は次の日も木賊とくさの中に寝ている彼を一目見た。そうして同じ言葉を看護婦に繰り返した。しかしヘクトーはそれ以来姿を隠したぎり再びうちへ帰って来なかった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)