“木賊谷”の読み方と例文
読み方割合
とくさだに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乱びん蒼白なおもてをなし、抜きをひッさげたその人影は九兵衛のすぐ目の前を抜けて、木賊谷とくさだにの方角へ風のごとく駆け過ぎてゆきました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこにも、樹間をチラチラする提灯ちょうちんの幾つかが、狐火のように浮遊ふゆうして、しきりと行く手行く手の先をけ廻しましたが、裏山を越えて、次の木賊谷とくさだにへのぞむと、もう逃げる天地は自由なものです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)