“浮遊”の読み方と例文
読み方割合
ふゆう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか諒安のかげがうすくかれ草の上にちていました。一きれのいいかおりがきらっと光ってきりとその琥珀との浮遊ふゆうの中をぎて行きました。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そこにも、樹間をチラチラする提灯ちょうちんの幾つかが、狐火のように浮遊ふゆうして、しきりと行く手行く手の先をけ廻しましたが、裏山を越えて、次の木賊谷とくさだにへのぞむと、もう逃げる天地は自由なものです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は相良氏に、松風号が空間に夢の如く浮遊ふゆうしているのを見せて、失心しっしんさせたことも話した。その結果、相良氏が、兼ねて研究中の宇宙艇にとびのって火星へ発足した決死的冒険をも話してきかせた。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)