“満腔”のいろいろな読み方と例文
旧字:滿腔
読み方(ふりがな)割合
まんこう89.6%
まんかう10.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その彼らにどうして、みずから批判をくだすことなんかできたろう? 彼らはそれら神聖な大家の名前にたいして、満腔まんこうの尊敬をささげていた。
併しそれを正面から実行した点につき、この方面の作歌に一つの基礎をなした点につき、旅人に満腔まんこうの尊敬を払うてここに一首を選んだのであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
貞昌は、その一言を、満腔まんこうからいった。城兵五百の生命と、徳川家の浮沈のためだ。主君とはいえ、彼のほうからこそ、手をついて頼みたいところだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人が満腔まんこうの熱誠をもって髯を調練していると、台所から多角性の御三おさんが郵便が参りましたと、例のごとく赤い手をぬっと書斎のうちへ出した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それ故、「新青年」の編輯者が、かかる隠れたる作家を明るみへ出そうと企てられたことに自分は満腔まんこうの賛意を表するのである。
「二銭銅貨」を読む (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
が、円満具足したゲエテの僕等を行動に駆りやらないことに満腔まんかうの不平を洩らしてゐる。
其社会の為に涙を流して、満腔まんかうの熱情を注いだ著述をしたり、演説をしたりして、筆は折れ舌はたゞれる迄も思ひこがれて居るなんて——斯様こん大白痴おほたはけが世の中に有らうか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其書は満腔まんかう欝気うつきべ、思ふ存分のことを書いて居るが、静かに味はつて見ると、強い言の中に柔らかな情があり、穏やかに委曲ゐきよくを尽してゐる中に手強いところがあつて中〻面白い。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私はそれを聞くと、満腔まんかうの反感を抑へて、へずかう答へた。
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
社会主義倶楽部の諸君は、無論満腔まんかうの尊敬と同情とを以て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)