かんが)” の例文
かくかんがえて見ると、後世全く無意味荒唐こうとうと思われる玩具にも、深き歴史的背景と人間生活の真味が宿っている事を知るべきである。
土俗玩具の話 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
〔譯〕がく之を古訓こくんかんがへ、もん之を師友にたゞすは、人皆之を知る。學必ず之を躬に學び、問必ず諸を心に問ふは、其れ幾人有らんか。
彼此かれこれ種々いろ/\すぐれた簡便かんべん方法はうはふかんがへてはたものゝ、たゞ厄介やくかいことにはうしてれを實行じつこうすべきかと名案めいあんたなかつたことです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そして前に掲げた法例という語の字義語意をかんがえて見ても、我邦においてこの法例なる語を広く用いるのは、決して不当でないと思う。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
かくてかんがうると大国主神おおくにぬしのかみは蛇を族霊トテムとして、他部族の女に通いしが、蛇を族霊とする部族の男と明かすを聞いて女驚くを見、じて絶ち去ったと見える。
しかれども赤貧洗うがごとく常に陋屋ろうおくの中に住んで世とれず。古書こしょ堆裏たいりひとり破几はきりていにしえかんがえ道をたのしむ。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
水戸の如きも光圀の当時より早くもその臭味しゅうみを帯び、後世水戸派の予言者藤田東湖に到りては、「いにしえかんがえて今に徴し本朝神聖の大道を闡明せんめいす」と叫破きょうはせり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
私は遠くさかのぼりて道具の人類進化史上における地位をかんがえ、転じて近代における機械の偉大なる効果を思うごとに、今の時代をもって真に未曾有みぞう難遭なんそうの時代なりとなすを禁じ得ず。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
そしてこれらの記事を読んで、前に載せた七日晒しや圧三昧の習俗をかんがえて見ると、ともにアイヌの残したものが簡略化されたことが知られるのである。しかるにこうした事は他にも類例がある。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
これをかんがえると本統の祖先崇拝は、母系統を重んずる民にして始めて誇り行い得るはずだ。天照大神あまてらすおおみかみを女神としたは理に合わぬなどの論がかえって理に合わぬと惟う。
すべて日吉に二十一社ありて仏神の混合甚だしく、記録に牽強多くて事歴の真相知れがたきも、大体をかんがうるに、伝教大師この社を延暦寺に結び付けた遥か以前に、二の宮この山の地主といつかれた。
漢名けいというも鶏はけいなり、能く時をかんがうる故名づくと徐鉉じょげんは説いたが、グリンムの童話集に、鶏声ケケリキとあったり、ニフィオレ島等で鶏をキオ、マランタ島等でクアと呼んだりするからすと