かんが)” の例文
最後に小生は目下我邦わがくににおける学問文芸の両界に通ずる趨勢にかんがみて、現今の博士制度のこう少くしてへい多き事を信ずる一人なる事をここに言明致します。
博士問題の成行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
風説をすれば影がさす——先哲の識語にかんがみて、温泉宿には薄暗い長廊下が続く処、人の居ない百畳敷などがあるから、逗留中、取り出ては大提灯の怪を繰返して言出さなかったし
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
意志的動作においても、我は一の欲求を有っていても、直にこれが意志の決行となるのではない、これを客観的事実にかんがみ、その適当にして可能なるを知った時、始めて実行に移るのである。
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)