“閑雅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんが81.0%
しとやか19.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
閑雅かんがの趣おのずから画面に溢れ何となく猪牙舟ちょきぶね艪声ろせいかもめの鳴くさえ聞き得るような心地ここちがする。かの柳はいつの頃枯れ朽ちたのであろう。
ここの炉も床の間も、改めて見直せば、元は茶屋にでも使っていたらしい閑雅かんがな造りなのである。そこの小床ことこの棚に、彼の眼をひいた物がある。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその場でその少女はお后にまりましたが、又濃紅姫の閑雅しとやかな美しさも藍丸王の御眼にまって、王様のお付のうちで一番位の高い宮女として宮中に置く事にまり
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
お秀と正反対な彼女は、くまで素直すなおに、飽くまで閑雅しとやかな態度を、絶えず彼の前に示す事を忘れないと共に、どうしてもまた彼の自由にならない点を、同様な程度でちゃんともっていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)