“閑却”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんきゃく89.3%
かんきやく10.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろ、主人が帰るとロオラはみんなから閑却かんきゃくされるのでしょう。そうしてロオラは主人に馴れるひまもなく、また好まないのです。
オカアサン (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
俊助は黙ってうなずいたまま、しばらく閑却かんきゃくされていた埃及煙草エジプトたばこへ火をつけた。それから始めてのびのびと椅子いすの背に頭をもたせながら
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
よる戸毎こごと瓦斯がす電燈でんとう閑却かんきやくして、依然いぜんとしてくらおほきくえた。宗助そうすけこの世界せかい調和てうわするほど黒味くろみつた外套ぐわいたうつゝまれてあるいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
長吉ちやうきちは二度見る同じ芝居しばゐの舞台をば初めてのやうに興味深くながめた。れと同時に、今度はにぎやかな左右の桟敷さじきに対する観察をも決して閑却かんきやくしなかつた。世の中にはあんなに大勢おほぜい女がゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)