“かんきやく”の漢字の書き方と例文
語句割合
閑却100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よる戸毎こごと瓦斯がす電燈でんとう閑却かんきやくして、依然いぜんとしてくらおほきくえた。宗助そうすけこの世界せかい調和てうわするほど黒味くろみつた外套ぐわいたうつゝまれてあるいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
長吉ちやうきちは二度見る同じ芝居しばゐの舞台をば初めてのやうに興味深くながめた。れと同時に、今度はにぎやかな左右の桟敷さじきに対する観察をも決して閑却かんきやくしなかつた。世の中にはあんなに大勢おほぜい女がゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それでなければ、自分の存在を閑却かんきやくされた心持になつて、初手から冷淡に構へる。相談はどうしても一人ひとり一人ひとりかぎる。其代りひまる。金もる。それを苦にしてゐては運動は出来ない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)