“一事”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちじ56.0%
ひとこと24.0%
あるよう8.0%
あること4.0%
こと4.0%
ひとつ4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窓外の地上におちっていたガラスの破片にさえ一つの指紋もなかった。この一事いちじもってしても、賊が並大抵の奴でないことが分るのだ。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その一事ひとことをもってすべての推測を下すのではないが、憎くはないがこの女一人のためには、何もかも失ってもと思い込むほどの熱情は、なかったのであろう。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今度の旅は、一体はじめは、仲仙道線で故郷へ着いて、そこで、一事あるようすましたあとを、姫路行の汽車で東京へ帰ろうとしたのでありました。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おなのぞみのためにぬるに一事あることをば多分たぶん敢行してのくることが出來でけう。
たゞわけもなく考想かんがへてうちにふとおもうかんだ一事ことがある。
面白く暮すには、何かたのしみが無ければならない。一事ひとつかうと云ふ楽があつたら決して世の中はつまらんものではないよ。みいさんはそれでは楽と云ふものが無いのだね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)