“かんがえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
78.3%
思想6.0%
考慮3.8%
考案3.8%
思慮1.6%
思考1.6%
勘考1.1%
概念0.5%
0.5%
思案0.5%
意見0.5%
推定0.5%
観念0.5%
量見0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
職業にしようというほどのかんがえはなかったであろう後に彼女が琴曲の師匠として門戸を構えたのは別種の事情がそこへ導いたのであり
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
大森林に連続つづいた谷間たにあいの町でも、さすがに暑い日は有った。三吉は橋本の表座敷にこもって、一夏かかって若い思想かんがえまとめようとしていた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
で、普通の日本人の考慮かんがえから云うと、殺した方の人が化けて出るというのは、と理屈に合わぬようにきこえるが、何分にも其処そこが怪談、万事不可思議の所が事実譚じじつだん価値ねうちであろう。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一ツずつ、蜻蛉が別ならよかったんでしょうし、外の人の考案かんがえで、あの方、ただ刺繍だけなら、何でもなかったと言うんです。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
思慮かんがえが、ドドドとの底へ滅入めいり込む、と今度は、戸棚のおおいまとまって、白い顔にはならない替りに、窓の外か、それとも内か、ひらきの方角ではなしに、何だか一つ、変な物音……沈んだ跫音あしおと
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何で附けた傷と思う(大)夫は未だ思考かんがえ中だ(谷)ソレ分るまい分らぬならば黙ッて聞く可しだ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
素人のあっしなんか、どうにも勘考かんがえのつけようのねえ不思議な死にざまだあね。
人間の概念かんがえで一番共通で確実たしかなものは、「数」だとされています。故に精密な物理学の理論などは、専ら数学で表されるのであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
これは、極端に現した二例であって、およそ普通の場合には、汽船なら汽船という概念かんがえがあり、一円には一円という概念があって人間の間に行き亘り、大掴みの感じの上で了解が取引されております。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それはまことに正しい。万物の造り主である活ける神は、人のわざかんがえとをもって石から造られる神とは違う。それは手で造った殿堂に住まない。また人の手で犠牲をささげられることを要せない。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
処が十日ばかり前に小石川こいしがわから来て私に妾になれと言わないばかりなのよ、あのお前の思案かんがえ一つでお梅や源ちゃんにも衣服きものが着せてやられて、甘味おいしいものが食べさされるッて……
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「……成る程……それでは……私の意見かんがえを……申してみますが……」
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「確定は解剖の結果にたなくては成らないが、今私一個の推定かんがえでは、他殺では無さ相です」
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
兄弟だという観念かんがえは、全く安易な溺愛を与えて、平常はそう何とも思いませんが、何か不利益、不名誉なことでも兄弟の一人に起ると、全部の兄弟が、急にこぞって自分の兄弟の方ばかり肩を持って
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お前達の方では、これまでの私の性分を好く知り抜いているから、あゝして置けば遂に堪らなくなって出て行くであろう、という量見かんがえもあったのだろう。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)