考慮かんがへ)” の例文
つたばかりで(考慮かんがへのないはづかしさは、れをいたときつなには心着こゝろづかなかつた、勿論もちろんあとことで)ときは……とつたばかりで、くちをつぐんだ。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かんがへると、無限むげん悲哀かなしくなつて、たゞ茫然ぼうぜん故國こゝくそらのぞんで、そゞろに暗涙あんるいうかべてとき今迄いまゝで默然もくねんふか考慮かんがへしづんでつた櫻木大佐さくらぎたいさは、突然とつぜんかほげた。
うぢやいです。貴方あなた愈〻いよ/\ふか考慮かんがへるやうにつたならば、我々われ/\こゝろうごかところの、すべての身外しんぐわい些細さゝいなることにもならぬとおわかりになるときりませう、ひと解悟かいごむかはなければなりません。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
爆裂彈ばくれつだん! なんために? と讀者どくしや諸君しよくんいぶかるであらうが、これにはおほい考慮かんがへのあることである、いまその目的地もくてきちたつし、いざ建塔けんたふといふ塲合ばあひに、獅子しゝ猛狒ゴリラが、一頭いつとうでも、二頭にとうでも
イヤ、イヤ、稻妻いなづま尋常一樣じんじやういちやういぬでないから、屹度きつと無事ぶじ海岸かいがんへはたつしたらうが、しかし、吾等われら災難さいなん非常ひじやうことだから、大佐閣下たいさかくかでも容易ようゐにはすくさくがなくつて、考慮かんがへなさるのだらう。