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怪僧
と、五十余名の
大衆が、シタシタと足をひいて、まえをみると、
霞のふかい
松並木のかげから、
忽然とおどりだした年わかい
怪僧があった。
それもそのはずなのであるが、
神官は
理由を知らないので、いよいよふしぎな
怪僧であると、
舌をまいておどろいた。
ご
神縄にかけて
山毛欅の上にしばりつけた
怪僧は
加賀見忍剣であり、同時に、それいらい、
垢離堂の
板の
間に二十一
日間の
謹慎をまもっている人々こそまさしく
信玄公のお
孫、
伊那丸君であり