“怪異”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいい50.0%
あやしみ11.5%
あやかし11.5%
けい11.5%
くわいい7.7%
ふしぎ3.8%
ミラクルス3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
里の者たちは、そでひき合って、クスクス笑いあった。なぜかといえば、片鼻かたはなそげている顔が、いかにも怪異かいいに見えたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先ずしといずれも安心したが、何ぞ測らん右の蛙がそもそも不思議の発端で、それからこの邸内に種々の怪異あやしみを見る事となった。
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分はその一刹那から再び怪異あやかしに憑かれたのであった。彼はこれから一七日いちしちにちの間、斎戒さいかいして妖邪の気を払わなければならないと思った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「みなこれ、怪異けいのなすわざ、ひとつ天下の道士をあつめて、ご祈祷を命ぜられてはいかがですか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つたふるところ怪異くわいいしよおほくは徳育とくいくのために、訓戒くんかいのために、寓意ぐういだんじて、勸懲くわんちやうとなすにぎず。けだをしへのために、鬼神きしんわづらはすものなり人意じんいいづくん鬼神きしん好惡かうをさつむや。
怪談会 序 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
幽かな音に対しても木精こだまを返すに過ぎないのであって、そうしてこの鸚鵡蔵も、それと同一なのであったが、無智の山国の人達には、怪異ふしぎ存在ものに思われているのであった。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ホー、怪異ミラクルス! 怪異ミラクルス! 怪異ミラクルス!」と、あたかも一大秘密でも見出せしごとく、すぐさまその黄色い紙を衣袋かくしに押し込み、物をも云わず、岬の上の別荘めざして駆け出した。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)