“片鼻”の読み方と例文
読み方割合
かたはな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
里の者たちは、そでひき合って、クスクス笑いあった。なぜかといえば、片鼻かたはなそげている顔が、いかにも怪異かいいに見えたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陣羽織じんばおりのようなかわそでなしに、鮫柄さめづかの小刀を一本さし、年は四十がらみ、両眼するどく、おまけに、仕事場で火傷やけどでもしたけがか、片鼻かたはなが、そげたようにけている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまともした行燈あんどんを前にだして、しずかに席についたその男は、するどい両眼に片鼻かたはなのそげた顔をもち、くまの毛皮の胴服どうふくに、きざざや小太刀こだち前挟まえばさみとなし、どこかにすごみのあるすがたで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)