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竭
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つく
ふりがな文庫
“
竭
(
つく
)” の例文
浜村蔵六が植桜之碑には堤上桜樹の生命は大抵人間と同じであるが故に絶えずこれが補植に力を
竭
(
つく
)
さなければならぬと言われている。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし純忠の志を地下に
竭
(
つく
)
し、純誠の情涙を塵芥裡に埋めて、軽棄されたる国粋の芸道に精進し、無用の努力として世人に忘却されつつ
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
私は我子が独立し得るまでの教育にはあくまでも力を
竭
(
つく
)
す覚悟でいる代りに、我子からその報償を得ようとは毛頭考えていない。
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼媼は又かゝる遊を喜ぶべき人とも見えぬに、男寢衣を身に着けて供せしを思へば、
壹
(
もは
)
ら姫を悦ばせんがために心を
竭
(
つく
)
せるものなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
前章に僕は
外柔内剛
(
がいじゅうないごう
)
につき少しく述べたが、内剛については所説のいまだ
竭
(
つく
)
さぬところがあったから、いま章をあらためて所感を述べたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
大
(
おほ
)
きな
藏々
(
くら/″\
)
の
建物
(
たてもの
)
が
空
(
むな
)
しく
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
一
切
(
さい
)
の
傭人
(
やとひにん
)
が
桃畑
(
もゝばたけ
)
に一
日
(
にち
)
の
愉快
(
ゆくわい
)
を
竭
(
つく
)
すやうになれば
病氣
(
びやうき
)
もけそりと
忘
(
わす
)
れるのが
例
(
れい
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
兄が大勢の弟子を取立てゝ、まさかの時には御國のために
竭
(
つく
)
さうとしてゐるのを、おまへは豫て知つてゐる筈ではないか。
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
庶
(
ねが
)
わくは
駑鈍
(
どどん
)
を
竭
(
つく
)
し、姦凶を
攘除
(
じょうじょ
)
し、漢室を復興して、旧都に還しまつるべし。これ臣が先帝に奉じて、
而
(
しか
)
して、陛下に忠なる
所以
(
ゆえん
)
の職分なり。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
個人が国家に対して
竭
(
つく
)
すべきの義務あるがごとく、国民といえる高等の団体もまた世界に対して負うべきの任務あり。
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
○英国王、新ニ官史ヲ命ジテ此国ニ送リ、国内ニ群集シテ我州民ヲ煩ハシメ、我州民ノ膏血ヲ
竭
(
つく
)
サシメタリ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
たとい一日にても家の運命を長くしてなお万一を
僥倖
(
ぎょうこう
)
し、いよいよ策
竭
(
つく
)
るに至りて城を枕に
討死
(
うちじに
)
するのみ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
上述の嬌女神海中より出現の霊画は実にアがこのパンカステをモデルとして全力を
竭
(
つく
)
し仕上げた物という。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これを
表沙汰
(
おもてざた
)
にせば債務者は論無う刑法の罪人たらざるべからず、ここに
於
(
おい
)
て
誰
(
たれ
)
か恐慌し、
狼狽
(
ろうばい
)
し、悩乱し、号泣し、死力を
竭
(
つく
)
して
七所借
(
ななとこがり
)
の
調達
(
ちようだつ
)
を計らざらん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ただ百姓の力を
罷
(
つか
)
らし百姓の財を
竭
(
つく
)
し、全国人民の肝脳を搾りてもって成就したるものなるを知るべし。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
是れ早稻田文學の沒却理想なりき。今や逍遙子はその欲無限の我を以て、絶對を研究する天職を
竭
(
つく
)
さむといひ、その欲有限の我を以て相對に對する料理をなすといふ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
極く
贔屓目
(
ひいきめ
)
に見ても、三代相恩の旗本八万騎のだらしのないのに反して、三多摩の土豪出身でありながら、幕府の為に死力を
竭
(
つく
)
したのは偉い、と云ふ評がせい/″\である。
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
然れども既に隈公の知を
蒙
(
こうむ
)
り、
又
(
また
)
諸君の許す所となる余は、唯我が強勉と熱心とを以て、力をこの校に
竭
(
つく
)
し、その及ばん限りは隈公の知に
酬
(
むく
)
い、諸君の
望
(
のぞみ
)
に
対
(
こた
)
うべし(拍手)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
……仁義を弁え忠孝を
竭
(
つく
)
す。子孫永久繁昌と来たな。……それから此方は七九の間取り。……うん、そうか、あの下に、金銀が蓄えてあると見える。金気が欝々と立っている。
鵞湖仙人
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
洛陽伽藍記
(
らくやうがらんき
)
に
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
帝業
(
ていげふ
)
を
承
(
う
)
くるや、
四海
(
しかい
)
こゝに
靜謐
(
せいひつ
)
にして、
王侯
(
わうこう
)
、
公主
(
こうしゆ
)
、
外戚
(
ぐわいせき
)
、
其
(
そ
)
の
富
(
とみ
)
既
(
すで
)
に
山河
(
さんが
)
を
竭
(
つく
)
して
互
(
たがひ
)
に
華奢
(
くわしや
)
驕榮
(
けうえい
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
園
(
ゑん
)
を
脩
(
をさ
)
め
宅
(
たく
)
を
造
(
つく
)
る。
豐室
(
ほうしつ
)
、
洞門
(
どうもん
)
、
連房
(
れんばう
)
、
飛閣
(
ひかく
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幾度
(
いくたび
)
と無く
畏
(
おそ
)
るべき危険の境を冒して、無産無官又
無家
(
むか
)
、
何等
(
なんら
)
の
恃
(
たの
)
むべきをも
有
(
も
)
たぬ孤独の身を振い、
終
(
つい
)
に天下を一統し、四海に君臨し、心を尽して世を治め、
慮
(
おも
)
い
竭
(
つく
)
して民を
済
(
すく
)
い
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
(七)
子夏
(
しか
)
曰く、
賢
(
さか
)
しきを
賢
(
とうと
)
(尊)び、色を
易
(
あなど
)
(軽易)り、父母に
事
(
つか
)
えて
能
(
よ
)
く其の力を
竭
(
つく
)
し、君に
事
(
つか
)
えて能く其の身を
致
(
ささ
)
げ、朋友と交わり
言
(
ものい
)
いて
信
(
まこと
)
あらば、未だ学ばずというと
雖
(
いえど
)
も
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
否、某伯爵家の如きは、その祖先が謀反人であったということを意識したがために、その
償
(
つぐな
)
いとして維新の際特に王事に
竭
(
つく
)
し、小藩ながら伯爵を
贏
(
か
)
ちえたのだとの説をも聞いております。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
出来るかぎりの真実を
竭
(
つく
)
しておりましたのに、あなたは怪しい
偽道士
(
にせどうし
)
のいうことを
真
(
ま
)
にうけて、にわかにわたくしを疑って、これぎりに縁を切ろうとなさるとは、あまりに薄情ななされかたで
世界怪談名作集:18 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
瞿佑
(著)
福円の妻女は至って優しい慈悲深き
質
(
たち
)
ゆえ親も及ばぬほど看病に心を
竭
(
つく
)
し、
後
(
の
)
ち
桃山
(
ももやま
)
の病院にまで
入
(
いれ
)
て、世話をしてやった、すると
或
(
ある
)
夜琴之助が帰り
来
(
きた
)
り、
最
(
も
)
う
全治
(
なおり
)
ましたからお礼に来ましたと
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
私には政治上の位地を占有した婦人は比較的深い注意と興味とを
以
(
もつ
)
て婦人自身の義務に
竭
(
つく
)
す事が出来ない様に見えます。と云つて私共婦人を退化した
因循
(
いんじゆん
)
卑屈の人種であると思ふのでは無いのです。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
実に話術の妙を
竭
(
つく
)
したものといってよい。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
全力というよりも
寧
(
むし
)
ろ死力を
竭
(
つく
)
して奪い合っているほどの怪奇を極めた精神科学の実験そのものの魅力のために私の魂がもう
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一座は此遊の
可笑
(
をか
)
しき
話柄
(
わへい
)
を得たりとて打ち興じ、杯を擧げて、此
迷失兒
(
まよひご
)
の健康を祝しつ。こゝの葡萄酒はいと旨きに、人々醉を帶び、歡を
竭
(
つく
)
して分れぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
恁
(
か
)
うしておつぎは
卯平
(
うへい
)
に
向
(
むか
)
つて
彼
(
かれ
)
が
幾分
(
いくぶん
)
づゝでも
餘計
(
よけい
)
に
滿足
(
まんぞく
)
し
得
(
う
)
る
程度
(
ていど
)
にまで
心
(
こゝろ
)
を
竭
(
つく
)
すことが、
善意
(
ぜんい
)
を
以
(
もつ
)
てしても
寧
(
むし
)
ろ
冷淡
(
れいたん
)
であるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えねばならなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼はその
偽
(
いつはり
)
と
真
(
まこと
)
とを思ふに
遑
(
いとま
)
あらずして、遣る方も無き
憂身
(
うきみ
)
の憂きを、
冀
(
こひねがは
)
くば跡も留めず語りて
竭
(
つく
)
さんと、弱りし心は雨の柳の、漸く風に揺れたる
勇
(
いさみ
)
を
作
(
な
)
して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
別段力をその馴養に
竭
(
つく
)
さなんだので、その上野驢や
花驢
(
しまうま
)
の諸種は、専らその肉を食いその皮を剥がんため、斟酌なく狩り殺さるるから、人さえ見れば疾走し去るのだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼らは懇請せり、
哀愬
(
あいそ
)
せり、その有る限りの力を
竭
(
つく
)
して相談せり、
然
(
しか
)
れども頑として動かざるなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
正弘は柏軒に信頼して疑はず、柏軒も亦身命を賭して其
責
(
せめ
)
を
竭
(
つく
)
したのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
出来るかぎりの真実を
竭
(
つく
)
して居りましたのに、あなたは怪しい
偽道士
(
えせどうし
)
のいうことを
真
(
ま
)
に受けて、にわかにわたくしを疑って、これぎりに縁を切ろうとなさるとは、余りに薄情ななされかたで
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
後
(
のち
)
、太子
高熾
(
こうし
)
の
羣小
(
ぐんしょう
)
の
為
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
めらるるや、告げて曰く、殿下は
但
(
ただ
)
当
(
まさ
)
に誠を
竭
(
つく
)
して
孝敬
(
こうけい
)
に、
孳々
(
しし
)
として民を
恤
(
めぐ
)
みたもうべきのみ、万事は天に在り、小人は意を
措
(
お
)
くに足らずと。識見亦高しというべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
朝
(
あさ
)
のまだ
凉
(
すゞ
)
しい、
葉
(
は
)
に
濕
(
しめ
)
りのある
間
(
あひだ
)
に
竈
(
かまど
)
の
灰
(
はひ
)
を
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて
其
(
そ
)
の
葉
(
は
)
に
掛
(
か
)
けて
遣
(
や
)
る
丈
(
だけ
)
の
手數
(
てすう
)
は
竭
(
つく
)
したのである。それで
幾
(
いく
)
らでも
活溌
(
くわつぱつ
)
に
運動
(
うんどう
)
する
瓜葉蟲
(
うりはむし
)
は
防
(
ふせ
)
がれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それを眼の前に見ながら昂作は、なおも新しい血を吐くべく、死力を
竭
(
つく
)
して胸を押し曲げた。
童貞
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
再び手出しもならざらんやう、
陰
(
かげ
)
ながら
卑怯者
(
ひきようもの
)
の息の根を
遏
(
と
)
めんと、気も
狂
(
くるはし
)
く力を
竭
(
つく
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
こは車の大道を去るべき知らせなり。我は道の傍に
築
(
きづ
)
きたる壇に上りぬ。脚下には人の頭波立てり。今やコルソオの競馬始らんとするなれば、兵士は人を
攘
(
はら
)
はんことに力を
竭
(
つく
)
せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これ父清正常に
把
(
と
)
るところ、
賤岳
(
しずがたけ
)
に始まり征韓に至る大小百余戦、向うところ敵なし、庚子の役また幕府のために力を
竭
(
つく
)
し以て
鎮西
(
ちんぜい
)
の賊を誅す、伝えて忠広に至り、以て大阪に従役す
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかりといえども光陰の潮流は
奔
(
はし
)
りてやまず。武備的の機関すでにその効用を社会の進化に
竭
(
つく
)
し、これがために社会が一歩を転ずるのときにおいては社会の境遇も一歩を転ぜざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
実に話術の妙を
竭
(
つく
)
したものと云ってよい。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同時にその間に於て翁が如何に酬いられぬ努力を
竭
(
つく
)
し、人知れぬ精魂を空費して来たか。国粋中の国粋たる能楽の神髄を体得してこれを人格化し
凜々
(
りんりん
)
たる余徳を今日に伝えて来たか。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
一時の戦略は如何ようとも出来申すべく候えども、永世へ掛け始終海岸防禦にのみ財力を
竭
(
つく
)
し、国貧しく民窮するに至り大敵来攻ども致し候わば、一人の取籠者と同日の談にこれ有るべく候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
金翅鳥その翼力を
竭
(
つく
)
し飛び進むとその下にある亀がわれの方が早くここにあると呼ばわる、いかに力を鼓して飛んでも亀が先に走り行くように見えて、とうとうヒマラヤ山まで飛んで疲れ果て
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
願わくは
御手
(
おんて
)
に随従して微力を
竭
(
つく
)
し
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
同
室
(
へや
)
附きのボーイが発見して大騒ぎとなり、吾が鬼課長狭山九郎太氏が出動して検屍したるに、同岩形氏の横死の裏面に重大なる犯罪の伏在しおるを認め、全力を
竭
(
つく
)
して活動の結果
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
泣血
漣々
(
れんれん
)
として、思う所を
竭
(
つく
)
す
能
(
あた
)
わざるなり。頑児矩方、泣血拝白。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
御手
(
おんて
)
に
隨從
(
ずゐじゆう
)
して
微力
(
びりよく
)
を
竭
(
つく
)
し
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
竭
漢検1級
部首:⽴
14画
“竭”を含む語句
休竭
力竭
娑竭羅
張竭忠
心竭
摩竭陀
毘首竭摩
沙竭羅竜王
竭尽
竭果
裟竭