つく)” の例文
旧字:
孔子……春秋をつくるに至りては、筆すべきは則ち筆し削るべきは則ち削り、子夏の徒も一辞をたすくることあたわず。弟子、春秋を受く。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
 けだし彼の禾稼くわかを見るに、春種し、夏苗し、秋刈り、冬蔵す。秋冬に至れば人みなその歳功の成るを悦び、酒を造りれいつくり、村野歓声あり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
洪武十七年、やまいを得て死するや、太祖親しく文をつくりてまつりを致し、岐陽王きようおうに追封し、武靖ぶせいおくりなし、太廟たいびょう配享はいきょうしたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼の幼きや土塊どかいを以て宮闕きゅうけつの状をつくり、曰く、これ織田信長が禁裡きんりの荒廃を修繕したるにするなりと。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
戯れに一絶をつくって曰く、〈聞説きくならく獼猴性すこぶるさとし、相車来ればすなわち満山に迎う、騾にむちうちてここに到れば何ぞかつて見ん、始めて覚る毛虫もうちゅうにもまた世情〉。
秦の商鞅しょうおうは自分の制定した法律のために関下かんかやどせられず、「嗟乎ああ法をつくるの弊いつここに至るか」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
ここおいテ項王すなわチ悲歌慷慨こうがいシ自ラ詩ヲつくリテいわク「力山ヲ抜キ気世ヲおおフ、時利アラズ騅カズ、騅逝カズ奈何いかんスベキ、虞ヤ虞ヤなんじ奈何いかニセン」ト。歌フコト数けつ、美人之ニ和ス。項王なみだ数行下ル。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
刻泥為之最易得 泥に刻して之をつくること最も得易し
詩人への註文 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
主人は庭をわた微風そよかぜたもとを吹かせながら、おのれの労働ほねおりつくり出した快い結果を極めて満足しながら味わっている。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『詩経』に「膏沐こうもく無からん、誰をあるじとして容をつくらん」とか申す二句、かつて何心なく読みおり候所、後に曹大家そうたいこ『女誡』専心の篇を見候えば、上下の文ありて
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
万章問いて曰く、或るひとう、孔子えいに於ては癰疽ようそやどとし、せいに於ては侍人じじん瘠環せきかんやどとせりと、これ有りしや。孟子曰く、否、然らざるなり、事を好む者これをつくれるなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
孝孺篇後へんごに書して曰く、予がこの文をつくりてより、いまかつて出して以て人に示さず。人のこの言を聞く者、みな予を訾笑ししょうして以て狂とし、あるいいんこれ詆詬ていこうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けだ禾稼かかを見るに、春種し夏苗し秋刈り冬蔵す。秋冬に至れば人みなその歳功の成るを悦び、酒を造りれいつくり、村野歓声あり。いまかつて西成に臨みて、歳功の終るを哀しむものを聞かず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
これの文、けだし少時のつくる所なり。嗚呼、運命遭逢そうほう、又何ぞ奇なるや。二十余年の後にして、筆紙前に在り。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
乾艮けんこん二方の繁栄は到底自分等の居を営むを許さざるを述べ、六条以北、窮僻きゅうへきの地に、十有余を得たのを幸とし、隆きに就きては小山をつくり、窪きに就きては小池しょうち穿うが
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)