“土塊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つちくれ69.5%
どかい18.6%
どろ3.4%
つちッころ1.7%
どくわい1.7%
つち1.7%
つちく1.7%
つちっころ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此の空地を斜に横ぎツて、四十人に餘る生徒が、がんが列を亂したやうになツて、各自てんでん土塊つちくれを蹴上げながら蹴散らしながら飛んで行く。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さあ大変! 東京ビルの横腹を染めていた大火光は、その盛りあがった土塊どかいのなかから、照空灯しょうくうとうのようにパッとさし出ているのであった。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
といいながらすかして見ると、石だか土塊どろだか分りませんが、はずみとはいいながらたれたあざは半面紫色に黒み掛り、れ上っていましたから、新吉がぞっとしたと申すは
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
土塊つちッころと人間と同じ様に心得ていると云われたら、其の東山義政のお名前までもけがすような事になって、貴方あんたは済むめえかとかんげえますが、何卒どうかして此の風儀を止めさせてえと思っても
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
土塊どくわいごとうごかぬかれ身體からだからはあはれかすかなけぶりつてうてえた。わら沿びたとき襤褸ぼろかれ衣物きものこがしたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
黒くて柔らかい土塊つちを破って青い小麦の芽は三寸あまりも伸びていた。一団、一団となって青い房のように、麦の芽は、野づらをわたる寒風さむかぜのなかに、溌溂はつらつと春さきの気品を見せていた。
麦の芽 (新字新仮名) / 徳永直(著)
そして石を、元のとおりな位置へすえ、新しい土塊つちくれが、そこらに目立たぬように、枯草や木の枝などをきちらし、こんどは、自分の身装みなりを、平常の奈良井の大蔵に変えているのだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は逃匿にげかくれはしねえ、もとより斬られる覚悟でした事だが、旦那さま、あんた此の皿はまア何で出来たものと思召おぼしめします、私ア土塊つちっころで出来たものとかんげえます、それを粗相で毀したからとって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)