“輸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
52.9%
おく29.4%
いた5.9%
つく5.9%
はこ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先にはこの男を、半端な悪玉と冷笑ひやかした伊兵衛も、冷静な思慮になると、やはり幾つでも年の上な馬春堂に、一ちゅうさないわけにまいりますまい。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかすこしの米を京都におくることをもこばんで、細民さいみんが大阪へ小買こがひに出ると、捕縛ほばくするのは何事だ。おれは王道の大体を学んで、功利の末技を知らぬ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その姉はすなわち燕王のにして、其弟増寿ぞうじゅ京師けいしに在りて常に燕のために国情をいたせるも、輝祖独り毅然きぜんとして正しきにる。端厳の性格、敬虔けいけんの行為、良将とのみわんや、有道の君子というべきなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
測らず 跬歩きほ敢て忘れん慈父の訓 飄零ひようれいげて受く美人の憐み 宝刀一口ひとふり良価を求む 貞石三生宿縁を証す 未だ必ずしも世間偉士無からざるも 君が忠孝の双全を得るにつく
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかれども苦海塵境を脱離して一身を挺出せんとするは、人間の道にあらず。苦海塵境に清涼の気をはこび入るゝにあらざれば、詩人は一の天職を帯びざる放蕩漢にして終らんのみ。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)