おく)” の例文
しかすこしの米を京都におくることをもこばんで、細民さいみんが大阪へ小買こがひに出ると、捕縛ほばくするのは何事だ。おれは王道の大体を学んで、功利の末技を知らぬ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
また西北原及び北原からインドへおくり出す羊毛及びヤクの尾等は皆此市ここへ持って来まして、単に此市ここ継場つぎばとしてパーリーの方へおくり出すものもあれば
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
これら外商はインドへ馬をおくって莫大に贏けたが、うまい事ばかりはないもので、随分危ない目にも逢った。
されどホラチウス・コクレスが戰ひし處には、今いかだに薪と油とを積みてオスチアにおくるを見る。されどクルチウスが炎火ののんどに身を投ぜし處には、今牧牛の高草のうちに眠れるを見る。アウグスツスよ。
金帛きんはくを以て謝することの出来ぬものも、米穀菜蔬さいそおくって庖厨ほうちゅうにぎわした。後には遠方からかごを以て迎えられることもある。馬を以てしょうぜられることもある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
またシカチェ辺の商人が此市ここへ来て買うておくり出すもあるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)