トップ
>
扮
>
つく
ふりがな文庫
“
扮
(
つく
)” の例文
葬式
(
とむらい
)
彦は一生懸命、合羽をつぶに引っかけて身軽に
扮
(
つく
)
っているとは言うものの、甚右衛門は足が早い。ともすれば見失いそうになる。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それにつけても、これがわたしの精一つぱいのお
扮
(
つく
)
りなんだと思ふと、妙に
身窄
(
みすぼ
)
らしく自分の肩のあたりが眺められる。
散歩
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
叔母の一枝は、これも、若い頃未亡人になり、もう四十を一つ二つ越えてゐるのに、趣味のいい
扮
(
つく
)
りも手伝つて、人目を惹くに足る瑞々しさがあつた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「恰好を見ればわかるのね、ほんとにおしの姐さんが
扮
(
つく
)
ると、どこから見たって立派な大店のお嬢さんだもの」
雪と泥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
晩方に細君は、顔などを
扮
(
つく
)
って、きちんとした
身装
(
みなり
)
をして、そこへ出向いて行ったのであった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
錦絵の人形のやうに
扮
(
つく
)
つて、鯉の跳ねる音より他にない深く薄暗い窓の中に粛粛と見出してこそ艶かしい娘の姿が、炎える陽に曝されて石に躓いたり、荊を避けたりしながら
繰舟で往く家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「よッ。姿かたちこそ非人に
扮
(
つく
)
っているが、まさしくそなたは前夜のあの町方役人じゃな」
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
毎日喧嘩ばかりしてゐるといひながら、矢張り亭主がくると
鬘
(
かつら
)
を直してやつたり、
扮
(
つく
)
つた顏を見直してやつたりしてゐた。今度の給金の事でよく小山と
紛
(
もつ
)
れあつてゐたのもこの早子だつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
腹掛法被
(
はらがけはっぴ
)
に
※襠
(
ぱっち
)
という
鳶
(
とび
)
まがいの忍び装束で茶屋町近くに張込んでいるとこれも身軽に
扮
(
つく
)
った蜻蛉の辰が人目を憚るように出て来て、東仲町を突き当った誓願寺の裏へ抜けた。
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
扮
(
つく
)
りの野暮つたさに拘はらず、顔だちは整ひすぎるほど整つて、瞳が黒々と澄んでゐた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
やがて、浅井が
楊枝
(
ようじ
)
を
啣
(
くわ
)
えて、近所の
洗湯
(
せんとう
)
に行ったあとで、お増はそこらを片着けて、急いで
埃
(
ごみ
)
を掃き出した。そして鏡台を持ち出して、髪を撫でつけ、
鬢
(
びん
)
や前髪を立てて、顔を
扮
(
つく
)
った。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
扮
漢検準1級
部首:⼿
7画
“扮”を含む語句
扮装
扮裝
扮粧
打扮
身扮
旅扮装
扮飾
黒扮装
武家扮装
不死身扮装
都扮装
其扮装
編笠扮装
白丁扮装
男扮装
狩猟扮装
洋服打扮
扮本
早打扮装
姿扮
...