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粧
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つく
ふりがな文庫
“
粧
(
つく
)” の例文
半七が二日もつづけてくるので、彼女もなんだか不安らしい眼付きをしていたが、それでも笑顔を
粧
(
つく
)
って愛想よく挨拶した。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もともと、僕の
嗜
(
この
)
みからして、あの亡霊の顔
粧
(
つく
)
りに、沙翁の顔を引き写したのですが、それが廻転している、幡江の眼を誤らせたのでしょう。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
なぜならば上等社会の婦女子は何にも仕事がないのです。ただ髪を洗うとか鏡を
覗
(
のぞ
)
いてお
粧
(
つく
)
りをするのが自分の仕事である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
解いておしまいなさい。リザヴェッタ、もう出るのはやめにしましょう。……そんなにお
粧
(
つく
)
りをするには及ばなかったね
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
物腰のしおらしい、背のすらりとした、黒目勝の、
粧
(
つく
)
れば粧るほど
見勝
(
みまさ
)
りのしそうな御
容貌
(
かおだち
)
。地の
御生
(
おうまれ
)
でないということは美しい御言葉で知れました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
その
女
(
ひと
)
のお顏とそつくりのお
粧
(
つく
)
りをして見せて、あなたをよろこばして上げたいと考へたからなのよ、わたくしだつて頬べにをつければ頬はあかくなるし
はるあはれ
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
此人は
衣装
(
なり
)
も
粧
(
つく
)
らず
外見
(
みえ
)
も飾らず
極
(
ごく
)
朴実律義で、
存魂
(
ぞつこん
)
嬢様に思込んでゐたが
少
(
ちつ
)
とも
媚諛
(
こびへつら
)
ふ容子を見せなかつた。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
葉子は半ば
惘
(
あき
)
れた顔をしていたが、北山やお八重が
羨望
(
せんぼう
)
の目で、どこに陰影一つない
粧
(
つく
)
り立ての葉子の顔を見ていたので、庸三はなおさら虫が納まらなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ひと頃、やはり近藤夫人の
姪
(
めい
)
で、竹子という娘なども、義兄を
繞
(
めぐ
)
って、オテイちゃんとの恋争いの図を見せていた。竹子という女性は、いつもこってりと、見るからに濃艶な
粧
(
つく
)
りをしていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と夜具を
奪
(
と
)
りにかかる
女房
(
にょうぼう
)
は、
身幹
(
せい
)
の少し高過ぎると、眼の
廻
(
まわ
)
りの
薄黒
(
うすぐろ
)
く顔の色一体に
冴
(
さ
)
えぬとは難なれど、
面長
(
おもなが
)
にて
眼鼻立
(
めはなだち
)
あしからず、
粧
(
つく
)
り立てなば
粋
(
いき
)
に見ゆべき三十前のまんざらでなき女なり。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
人品
(
じんぴん
)
を落すほどに
粧
(
つく
)
ッて、衣服も
成
(
なり
)
たけ
美
(
よ
)
いのを
撰
(
えら
)
んで着て行く。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
今はた色は
粧
(
つく
)
らねど
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
蒼白く
粧
(
つく
)
った顔は更に蒼くなった。おびただしく出血した傷口はすぐに幾針も縫われたが、その経過は思わしくなかった。
半七捕物帳:03 勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
奥様は朝に
粧
(
つく
)
り、晩に
磨
(
みが
)
き、透き通るような御顔色の白過ぎて
少許
(
すこし
)
蒼
(
あお
)
く見えるのを、頬の辺へはほんのり紅を
点
(
さ
)
して、身の
丈
(
たけ
)
にあまる程の黒髪は
相生
(
あいおい
)
町のおせんさんに結わせ
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
娘の父母はその物品を娘の
許
(
もと
)
へ持って来て「お前のその櫛は大分古くなって居るから
其櫛
(
それ
)
を棄ててこの新しい良いので梳くがよい。ここに良い油もあるからこれで立派にお
粧
(
つく
)
りするがよい」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「番町の殿様お待ちかねでござります」と、女房は笑顔を
粧
(
つく
)
った。「すぐにお連れ申しましょうか」
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分は嫁に遣らるるためにお
粧
(
つく
)
りさせられるとは知らずにお
粧
(
つく
)
りする者もありますが、どうかすると
怜悧
(
りこう
)
な娘は悟って、今まで機嫌の好かった娘はそれと悟って悲しそうに泣き立てる者もあるです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「おあがり下さいまし。毎日お寒いことでございます」と熊蔵はわざと笑顔を
粧
(
つく
)
って挨拶した。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼女は物詣でのためにきょうは殊更に清らかに
粧
(
つく
)
っていた。紅や
白粉
(
おしろい
)
もわざと
淡
(
うす
)
くしていた。しかもそれが却って彼女の艶色を増して、玉のような
面
(
おもて
)
はいよいよその光りを添えて見られた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
子供のないのを幸いにせいぜい派手に
粧
(
つく
)
っていました。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼女は努めて笑顔を
粧
(
つく
)
って、愛想よく挨拶した。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
栄之丞も無理に笑顔を
粧
(
つく
)
った。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
粧
常用漢字
中学
部首:⽶
12画
“粧”を含む語句
化粧
粧飾
扮粧
薄化粧
時勢粧
盛粧
身粧
厚化粧
行粧
朝化粧
假粧
若粧
御化粧
時世粧
濃化粧
御粧
服粧
淡粧
化粧部屋
化粧煉瓦
...