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製
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つく
ふりがな文庫
“
製
(
つく
)” の例文
「知っていますよ、だからなおさらおまえに菓子は売れない。しかもわしの
家
(
うち
)
で
製
(
つく
)
る上菓子などは、おまえの口にするものじゃない」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一つの美味あれば、一家擧げて共にし、衣服を
製
(
つく
)
るにも、必ず善きものは年長者に
讓
(
ゆづ
)
り、
自分勝手
(
じぶんがつて
)
を
構
(
かま
)
へず、互に誠を盡すべし。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
カスタアドや
乾酪
(
チイズ
)
のお菓子や佛蘭西の饅頭菓子を
製造
(
つく
)
つたり、
獵禽
(
とり
)
の翼や足を縛つたり、デザァトのあしらひの
製
(
つく
)
り方なんかを教はつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
はッと私は空想の世界を去って、鑢をポケットに押し入れるなり、紙の
漏斗
(
じょうろ
)
を
製
(
つく
)
って、火薬を電球の中へ注入しはじめた。
鼻に基く殺人
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
然
(
さ
)
うすると、
心
(
こゝろ
)
に
刻
(
きざ
)
んで、
想像
(
さうざう
)
に
製
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げた……
城
(
しろ
)
の
俘虜
(
とりこ
)
を
模型
(
もけい
)
と
為
(
し
)
た
彫像
(
てうざう
)
が、
一団
(
いちだん
)
の
雪
(
ゆき
)
の
如
(
ごと
)
く、
沼縁
(
ぬまべり
)
にすらりと
立
(
た
)
つ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
マルセーユの歌に対して
製
(
つく
)
りたる
独逸
(
ドイツ
)
祖国歌は非常の賞賛を得て、一篇の短歌能く末代の名を存せしと聞く。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
四邊の山林から樟腦を作る楠と紙を
製
(
つく
)
るに用ふる糊の原料である
空木
(
うつぎ
)
の木とを採伐することに着手した。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
これを想う時営利主義の
許
(
もと
)
においては、正しい民藝品が
製
(
つく
)
られる機会はないわけです。もしこのままに制度が続くなら、正しい工藝の未来はあり得ないでしょう。
民芸とは何か
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
白い鳥の羽で
製
(
つく
)
つた団扇を、時々大事さうに使つてゐる容子では、多分、儒者か何かにちがひない。
酒虫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
纐纈布で
製
(
つく
)
られた、帆と袍とは闇の中を、焔のように輝きながら、水と陸とに別れたのである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
されども
遠
(
とほ
)
い
東方
(
ひんがし
)
の、
曙姫
(
あけぼのひめ
)
の
寢所
(
ねどころ
)
から、あの
活々
(
いき/\
)
した
太陽
(
たいやう
)
が
小昏
(
をぐら
)
い
帳
(
とばり
)
を
開
(
あ
)
けかくれば、
重
(
おも
)
い
心
(
こゝろ
)
の
倅
(
せがれ
)
めは
其
(
その
)
明
(
あか
)
るさから
迯戻
(
にげもど
)
り、
窓
(
まど
)
を
閉
(
と
)
ぢ、
日
(
ひ
)
を
嫌
(
きら
)
うて、
我
(
わ
)
れから
夜
(
よる
)
をば
製
(
つく
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
思ふにコロボツクルは是等の
石器
(
せきき
)
を用ゐて
草木
(
さうもく
)
の
實
(
み
)
を
壓
(
を
)
し
潰
(
つぶ
)
し
食用
(
しよくえう
)
の
粉
(
こ
)
を
製
(
つく
)
りしならん。石皿の
名
(
な
)
は
决
(
けつ
)
して
適切
(
てきせつ
)
には非ざれど、
他
(
た
)
に
好
(
よ
)
き名を
思
(
おも
)
ひ付かざれば
姑
(
しばら
)
く
通稱
(
つうしやう
)
に從ふのみ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
の
服曾比猟
(
キソヒカリ
)
する月は来にけりとありて上古は今のごとく
染汁
(
ソメシル
)
を
製
(
つく
)
りて衣服を染ることはなくて
榛
(
ハリ
)
の実或はすみれかきつばたなどの色よき物を
衣
(
キヌ
)
に摺り
着
(
ツケ
)
てあやをなせるなり其
摺着
(
スリツクル
)
を
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
左に
模
(
うつ
)
しし画にてその
製
(
つく
)
り様を見たもうべし(第四図イ)、『
鹿苑院殿御元服記
(
ろくおんいんどのごげんぷくき
)
』永和元年三月の条、〈御車新造、東寺より御輿、御力者十三人、牛飼五人、
雑色
(
ぞうしき
)
九人、
車副
(
くるまぞい
)
釜取以下〉とあるは
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『よし、さらば、
詰問
(
きつもん
)
せん』
王樣
(
わうさま
)
は
冱々
(
さえ/″\
)
しからぬ
御容子
(
ごようす
)
にて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
く
)
み、
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
め、
兩眼
(
りようがん
)
殆
(
ほと
)
んど
茫乎
(
ぼうツと
)
なる
迄
(
まで
)
、
料理人
(
クツク
)
を
凝視
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
られましたが、やがて
太
(
ふと
)
い
聲
(
こゑ
)
で、『
栗饅頭
(
くりまんぢう
)
は
何
(
なに
)
から
製
(
つく
)
られるか?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
どうかよい本に
製
(
つく
)
ってやって下さいと、挨拶にゆかれたそうである。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
草場
船山
(
せんざん
)
の句あり、かの瓦もて
製
(
つく
)
りたる硯に題する古詩のうちに——
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「晩にね、僕が、煙草の
吸殻
(
すいがら
)
を
飯粒
(
めしつぶ
)
で練って、
膏薬
(
こうやく
)
を
製
(
つく
)
ってやろう」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「後でないしょでアイスクリームを
製
(
つく
)
ってあげますよ。」
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
中堂の
大厨
(
おおくりや
)
の方では、あしたの朝の僧衆のために、たくさんな豆腐を
製
(
つく
)
っているとみえて、豆を煮るにおいがどこともなく流れてくる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
必要によって当時の図書館長バルビールに命じて
製
(
つく
)
らせました、
函入
(
はこいり
)
新装の、一千巻、
一架
(
ひとたな
)
の内容は、宗教四十巻、叙事詩四十巻、戯曲四十巻、その他の詩篇六十巻。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御者
(
ぎょしゃ
)
は
懶惰
(
ぶしゃう
)
な
婢
(
はしため
)
の
指頭
(
ゆびさき
)
から
發掘
(
ほじりだ
)
す
彼
(
か
)
の
圓蟲
(
まるむし
)
といふ
奴
(
やつ
)
の
半分
(
はんぶん
)
がたも
無
(
な
)
い
鼠裝束
(
ねずみしゃうぞく
)
の
小
(
ちひ
)
さい
羽蟲
(
はむし
)
、
車體
(
しゃたい
)
は
榛
(
はしばみ
)
の
實
(
み
)
の
殼
(
から
)
、それをば
太古
(
おほむかし
)
から
妖精
(
すだま
)
の
車工
(
くるまし
)
と
定
(
きま
)
ってゐる
栗鼠
(
りす
)
と
蠐螬
(
ぢむし
)
とが
製
(
つく
)
りをった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
製
(
つく
)
れる
埴瓮
(
はにべ
)
の
遺物
(
かたみ
)
——それかあらぬ。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
心臟
(
ハート
)
の
女王樣
(
ぢよわうさま
)
、
栗饅頭
(
くりまんぢう
)
を
製
(
つく
)
つた
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
紙幣は、人間が、便法として
製
(
つく
)
つた假定の證標であつて、眞實は、金のやり取りが社會でも人生でもない。精神の代表を運輸してゐるのだ。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
ロミオ
他
(
ほか
)
のと
較
(
くら
)
ぶれば
彌〻
(
いよ/\
)
彼女
(
あれ
)
をば
絶美
(
ぜつび
)
ぢゃと
言
(
い
)
はねばならぬことになる。
美人
(
びじん
)
の
額
(
ひたひ
)
に
觸
(
ふ
)
るゝ
彼
(
あ
)
の
幸福
(
しあはせ
)
な
假面
(
めん
)
どもは、
孰
(
ど
)
れも
黒々
(
くろ/″\
)
と
製
(
つく
)
ってはあれど、それが
却
(
かへ
)
って
其
(
その
)
底
(
そこ
)
の
白
(
しろ
)
い
面
(
かほ
)
を
思出
(
おもひだ
)
さする。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「家中ではないが、備中玉島の
郷士
(
ごうし
)
で
千原
(
せんばら
)
九右衛門という。いま陣中ではもっぱらこの附近の絵図面などを
製
(
つく
)
らせておるが」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ご覧の通り、手前どもの店は、表を張っておりませぬし、薬草は山で
製
(
つく
)
り、売子は春秋の二回に、仕入れた荷を背負って、諸国へ
行商
(
あきない
)
に出てしまいまする。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
砂糖などというものは
舐
(
な
)
めたことは愚か、見たこともない。——特に、織田殿がお泊りなので、
上賓
(
じょうひん
)
へ馳走のため、膳部の者が自慢で
製
(
つく
)
ったものだという。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
名知らぬ南方の
小禽
(
ことり
)
を
黄金
(
こがね
)
の鳥籠に入れたものと、ばてれん達が本国から連れて来た料理人に
製
(
つく
)
らせた南蛮菓子を
器
(
うつわ
)
に
容
(
い
)
れた物とを捧げて、三名のばてれんは
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「きょうは、お蔭さまで、うちの馬が仔を産みましたで、少しばかり草餅を
製
(
つく
)
りました。お口にあいませぬが、お慰みにもと、少しばかり持って参りましたで」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしの店で売る菓子は、おまえ方のような怠惰な者に食わせるため
製
(
つく
)
っている菓子ではない。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今なお足の
傷手
(
いたで
)
は
癒
(
い
)
えないので、歩行のときは甚だしい
跛行
(
びっこ
)
をひく。(これは
痼疾
(
こしつ
)
となって生涯の不具となった)——で、彼は、栗山善助に命じて、軽敏に乗用できる陣輿を
製
(
つく
)
らせておいた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ご
褒美
(
ほうび
)
をあげよう。爺や、わたしの
製
(
つく
)
ったお
萩餅
(
はぎ
)
をおあがり……爺や」
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしとは深い御縁があるので、生き
遺物
(
がたみ
)
とも思し召し、思い出の地の山水を
絵付
(
えつけ
)
して、特に丹精をこらして
製
(
つく
)
られた香炉じゃが、寺に納めておけば、末代まで長く
什宝
(
じゅうほう
)
として伝わるであろうから——
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ年々
製
(
つく
)
って乞われる
檀家
(
だんか
)
へ贈る
慣
(
なら
)
わしは残っていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
製
常用漢字
小5
部首:⾐
14画
“製”を含む語句
製造
製作
手製
製造場
調製
陶製
製造所
製法
仏蘭西製
純護謨製
御製
磨製石斧
極製
日本製
精製
打製
土器製造
製鉄所
製作物
帽子製造場
...