“誘惑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうわく36.4%
いうわく18.2%
いざない5.5%
いざなひ5.5%
そそ3.6%
そそのか3.6%
まどはし3.6%
まどわし3.6%
おびきだ1.8%
おびき1.8%
こころみ1.8%
さそ1.8%
そその1.8%
そそのかし1.8%
そゝの1.8%
だま1.8%
ひきつけ1.8%
アントレーヌマン1.8%
テンタサン1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕がさきに述べた、艱難かんなん誘惑ゆうわくを仮想的に描いて、これに対する方法を定めよとは、まことに子供らしいことはわが輩も承知である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
不運ふうんにもかれ誘惑いうわくされたどくをんなだともおもへるのであつたが、しかし恋愛れんあい成立せいりつについては、かれくはしいことらなかつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そこへつけ込み私はじめ、姥殿にも範覚殿にも、手を分けて裏面から、誘惑いざないの腕ふるいましたら、宮様の御首級みしるし掻こうとする者、幾人か出るでござりましょう
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何故などかる汚穢けがれむしろに座して、おほかみの甘き誘惑いざなひに耳をすやと叱かり給ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
俺も何んだか笑いたくなった。俺の心は誘惑そそられる。ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、まだ笑っている……。俺も笑ってやろう。ヒ、ヒ、ヒ、ヒ……ヒ、ヒ、ヒ、ヒ
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「白々しい三ピン! 何を云うか! ……親分の恋女おんな、お浦を誘惑そそのかし、五郎蔵一家の守護神、天国の剣を持ち出させながら、白々しい! ……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
学頭 (所化等に)天魔波旬の誘惑まどはしに、方々は心を労すると見ゆるな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「神のお誘導きでございましょうか? 悪魔の誘惑まどわしではございますまいか?」庄三郎は憂鬱に
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「へ、芳江姫とおっしゃると? ああ解りました解りました。青竜二郎とこの私とで誘惑おびきだした美しい乙女……あの乙女のことでござりましょうな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
党のおために、ここまで誘惑おびきよせいたしましたは、この菊女でござりまして、どうして妾が萩丸様を、易々やすやすここまで連れ参りましたか、それを
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我らの日用の糧を今日も与えたまえ、我らに負債おいめある者を我らのゆるしたる如く、我らの負債をも免したまえ。我らを誘惑こころみに遇わせず、悪より救い出したまえ
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
「何をしていたとはあなたがたのことだ。若先生を誘惑さそいあるいて、馬鹿も程にしたがよいッ」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こいつ何か奸策あってのことだろうと、典膳は、最初は相手にしなかったが、田舎に珍しいお浦の美貌と、手に入った籠絡ろうらく手管てくだとに誘惑そそのかされ、つい府中しゅくの料理屋へ上がった。酒を飲まされた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……ご老師お作りの設計図みつもりずを白痴の少年粂太郎くめたろうめのために盗まれましたのでござりますぞ……幼な馴染なじみの芳江姫と夫婦になりたい一心から紋十郎の誘惑そそのかしに応じ、盗み取りましたのでござります。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
せん良人をつと温厚おとなしい学者肌の人であつたが、ある旅先で悪友に誘惑そゝのかされてうつかり勝負事に関係しため、すくなからずあつたその財産がすべて失はれて居た事を良人をつとの死後に発見して途方に暮れた夫人は
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ある気狂い女が夢中になって自分の子の生血を取てお金にし、それから鬼に誘惑だまされて自分の心を黄金こがねに売払ったという、恐ろしいお話しを聞いて、僕はおっかなくなり
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
「ずっと前から島君の方では、右衛門に恋していたのじゃそうな。それでお吉と別れたと聞くと、女の方から血道を上げ、誘惑ひきつけに掛かったという事じゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
戦争は確かに大きな誘惑アントレーヌマンだ。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
されど帰国後吾が心には妄想もうぞう散乱し、天主デウス、吾れを責むる誘惑テンタサン障礙しょうげを滅し給えりとも覚えず。(以下略)
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)