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誘惑
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いうわく
ふりがな文庫
“
誘惑
(
いうわく
)” の例文
不運
(
ふうん
)
にも
彼
(
かれ
)
に
誘惑
(
いうわく
)
された
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
女
(
をんな
)
だとも
思
(
おも
)
へるのであつたが、しかし
恋愛
(
れんあい
)
の
成立
(
せいりつ
)
については、
彼
(
かれ
)
も
詳
(
くは
)
しい
事
(
こと
)
は
知
(
し
)
らなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
まださう云ふ
皮相
(
ひさう
)
の問題ばかりでなく、男女関係の場合などでも、男は
何時
(
いつ
)
も
誘惑
(
いうわく
)
するもの、女は何時も誘惑されるものと、世の中全体は考へ易い。
世の中と女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無垢
(
むく
)
な
若者
(
わかもの
)
の
前
(
まへ
)
に
洪水
(
おほみづ
)
のやうに
展
(
ひら
)
ける
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、どんなに
甘
(
あま
)
い
多
(
おほ
)
くの
誘惑
(
いうわく
)
や、
美
(
うつく
)
しい
蠱惑
(
こわく
)
に
充
(
み
)
ちて
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せることだらう!
外
(
そ
)
れるな、
濁
(
にご
)
るな、
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ふなと
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
十兩に
誘惑
(
いうわく
)
されたわけでもなかつたでせうが、喜三郎とフト斷わりきれない樣子で、平次を
顧
(
かへり
)
みました。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこへ
突然
(
とつぜん
)
一つの
誘惑
(
いうわく
)
として
現
(
あら
)
はれたのが、
政
(
せい
)
府
発行
(
はつかう
)
の△△
債劵
(
さいけん
)
を
買
(
か
)
ふ
事
(
こと
)
だつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
然し其家が暗くなかつたらあんなにも私を
誘惑
(
いうわく
)
するには至らなかつたと思ふ。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
其
(
そ
)
れが
段々
(
だん/\
)
厭
(
いや
)
でない
誘惑
(
いうわく
)
の
手
(
て
)
に
乘
(
の
)
つて
甘
(
あま
)
い
味
(
あぢ
)
を
僅
(
わづか
)
に
感
(
かん
)
ずる
程度
(
ていど
)
まで
近
(
ちか
)
づいた
刹那
(
せつな
)
一
切
(
さい
)
が
破壞
(
はくわい
)
し
去
(
さ
)
られたのである。おつぎは
以前
(
いぜん
)
に
還
(
かへ
)
つて
恐怖
(
きようふ
)
の
手
(
て
)
に
深
(
ふか
)
く
其
(
そ
)
の
身
(
み
)
を
沒却
(
ぼつきやく
)
せねばならなく
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
われは
己
(
おのれ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
のあまり
清
(
きよ
)
くない
事
(
こと
)
を
心得
(
こゝろえ
)
てゐる、
路
(
みち
)
の
傍
(
かたはら
)
の
菩提樹下
(
ぼだいじゆか
)
に
誘惑
(
いうわく
)
に
負
(
ま
)
けた
事
(
こと
)
も
知
(
し
)
つてゐる。
偶
(
たま/\
)
われに
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
ませる
会友
(
くわいいう
)
たちの、よく
承知
(
しようち
)
してゐる
如
(
ごと
)
く、さういふ
物
(
もの
)
は
滅多
(
めつた
)
に
咽喉
(
のど
)
を
通
(
とほ
)
らない。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
若
(
わか
)
い
女性
(
ぢよせい
)
に
対
(
たい
)
して、
純
(
じゆん
)
な
感情
(
かんじやう
)
ももつてゐたから、
誘惑
(
いうわく
)
と
言
(
い
)
ふのは
当
(
あた
)
らないかも
知
(
し
)
れなかつたけれど、
色々
(
いろ/\
)
の
条件
(
でうけん
)
と、
同棲生活
(
どうせいせいくわつ
)
の
結果
(
けつくわ
)
から
見
(
み
)
ると、
彼
(
かれ
)
の
本能
(
ほんのう
)
が
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
二人
(
ふたり
)
の
關係
(
くわんけい
)
の
眞相
(
しんさう
)
が、どんなものであつたかは
誰
(
たれ
)
も
知
(
し
)
らない。
恐
(
おそ
)
らくは
彼女自身
(
かのぢよじしん
)
にもわからなかつたことであらう。
彼女
(
かのぢよ
)
は
見事
(
みごと
)
に
誘惑
(
いうわく
)
の
甘
(
あま
)
い
毒氣
(
どくけ
)
に
盲
(
めし
)
ひたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
その
留守
(
るす
)
にまた、或貴族が、彼の(即ち、身分のある男の)妻に
横恋慕
(
よこれんぼ
)
をした。が、彼れの妻は、その貴族の
誘惑
(
いうわく
)
に陥らなかつたばかりでなく、さんざん侮辱を加へさへした。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一度銀簪の
誘惑
(
いうわく
)
に負けて血を見ると、一度
常軌
(
じやうき
)
を逸したお才の頭は果てしもなく狂つて、自分より若くて美しい女さへ見れば、銀の簪で眼を突きたいといふ、恐ろしい誘惑に惱まされ始めたのです。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誘
常用漢字
中学
部首:⾔
14画
惑
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
“誘惑”で始まる語句
誘惑物
誘惑的