“おびきだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
誘出50.0%
誘惑16.7%
誘引出16.7%
誘拐16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は追手の舟を湖心に近く誘出おびきだして置いて、いきなり方向を転換し、湖の東岸へとまっしぐらに走っている。そして、高く手を振りながら、さもさも愉快そうに、カラカラと笑っている。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「へ、芳江姫とおっしゃると? ああ解りました解りました。青竜二郎とこの私とで誘惑おびきだした美しい乙女……あの乙女のことでござりましょうな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
甘々うまうま部屋から誘惑おびきだし、鳳凰の間まで連れて来るや活をもって息吹き返させ、さらにオースチン師の催眠術をもって睡眠ねむりに入れられた白虎太郎は今や昏々こんこんと眠っている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はなれず二人の娘に逢してくれかみもおどろに振亂ふりみだし狂氣の如き形容ありさまに長庵ほとんどあぐみはて捨置すておくときは此女から古疵ふるきずおこらんも知れぬなりどくくはば皿とやら可愛さうだがお安めも殺して仕舞しまほかは無いが如何なる手段で殺してくれん内で殺さば始末しまつが惡し何でも娘兩人に逢してやる誘引出おびきだし人里遠き所にて拂放ぶつぱなすより思案は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こうして彼らは土人どもが何らか不思議な詭計きけいを設けて彼らの隊長ホーキン氏を昨夜のうちに誘拐おびきだしどこか土人どもの本陣へ連れて行ったに相違ないと