“誘出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おびきだ50.0%
さそいだ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世間の快楽については、何もしらぬらしい養父から、少しずつ心が離れて、長いあいだの圧迫の反動が、彼女をもすると放肆ほうしな生活に誘出おびきだそうとしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は追手の舟を湖心に近く誘出おびきだして置いて、いきなり方向を転換し、湖の東岸へとまっしぐらに走っている。そして、高く手を振りながら、さもさも愉快そうに、カラカラと笑っている。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
別に怪しいものじゃない、自分が時々見る美しい、嬉しい夢、——いや、夢じゃない、我が心に、誘出さそいだされたものかと思う。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その意味は新入生と云うものは多少金がある、これ誘出さそいだして酒を飲もうとう云うかんがえだろう。言わずともわかって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)