“だま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
31.3%
21.8%
18.0%
10.0%
4.6%
1.8%
1.8%
1.7%
1.2%
1.2%
沈黙1.1%
0.8%
0.7%
0.6%
0.6%
弾丸0.6%
無言0.5%
欺瞞0.4%
瞞着0.2%
0.2%
0.2%
偽瞞0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
沈默0.1%
爆弾0.1%
0.1%
誘惑0.1%
邪魔0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで兵太郎のことというと夢中になる娘のお輝をだました。——お輝は一寸見ちょっとみ幼々ういういしく、いかにも子供らしいが、もう立派な娘だ。
ひるすこしまえにはもう二人ふたりにいさんが前後ぜんごして威勢いせいよくかえってた。一人ひとりにいさんのほう袖子そでこているのをるとだまっていなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
此凄まじい日に照付られて、一滴水も飲まなければ、咽喉のどえるをだま手段てだてなくあまつさえ死人しびとかざ腐付くさりついて此方こちらの体も壊出くずれだしそう。
持って、外へ出ると言えば八人かつぎのかごで出るくせに、エラクないだって、ふん、そんなことを言ってわたしをだますつもりですかい
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
だまれ! をひくせ伯父樣をぢさまめかけねらふ。愈々いよ/\もつ不埒ふらちやつだ。なめくぢをせんじてまして、追放おつぱなさうとおもうたが、いてはゆるさぬわ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
薔薇ばら色、丁子色、朱色、土耳古トルコだま色、オレンジ色、群青、すみれ色——すべて、繻子しゅすの光沢を帯びた・其等の・目もくらむ色彩に染上げられた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
胴の間の役人だまりに入って、板壁の釘にかかっていた送り帳を見ると、江戸を出るとき、この船にはたしかに二十三人の人間が乗っていた。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一同の遠征はけっしてむだでなかった、かれらは酒の原料や、茶の木を発見し、ヴィクンヤおよびラマを生けどり、飛びだまの使用法に熟達じゅくたつした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
両刑事は彼をどうかして自白させようと、或いは脅し、或いはだまかして妻子をかせに彼を釣ったかも知れない。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
その間にも、何も知らぬ地下の花火係は、主人達の目を喜ばせようと、用意の花火だまを、次から次へ打上げていました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
(何故沈黙だまっているのだろう? 何が行われているのだろう? ……栞はどうしているのだ? ……いや栞は何をされているのだろう?)
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「嘘をけ、またはじめた。大方、お前が目の前で、しゃぼんだまのように、ぱっと消えてでもなくなったろう、不思議さな。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『仮に中学生にしたところで、態々わざわざ人から借りて呉れてやつてだまされるより、此方こちとらなら先づ寝酒でも飲みますな。』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
渡舟わたし待ちの前から、こう話しかけてきた中年増ちゅうどしまがある。身装みなりは地味、世帯やつれの影もあるが、腰をかがめた時下げた髪に、珊瑚さんごの五分だまが目につくほどないい土佐とさだった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが己がわきの女に掛り合った所から、かゝアが悋気りんきを起し、以前の悪事をがア/\と呶鳴どなり立てられ仕方なく、旨くだまして土手下へ連出して、己が手に掛け殺して置いて
「赤城山に出る天狗は団扇うちわ天狗というのだ。猟師の持つ鉄弾丸だまおそれるが鉛弾丸は一向惧れないそうだ。このまえ来たとき土地の人の話だった」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
余は益々分らぬけれど、そう諄くは聞く事も出来ぬから、其のまま無言だまって了ったが、其のうちに愈々検屍の時刻とはなった。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
……わたしの云うことをよくお聞き。お前のお父様は城下の人で五味多四郎というのだよ。……妾はその人に欺瞞だまされたのだよ。——じきに妾は死ぬだろう。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仏教は、この隠れていても実は私達の日常見聞する現実のあらゆるものをあやつっている根本をも、一緒にくっつけて現実を見詰めるのですから、表面うわべだけの変化や矛盾撞着に瞞着だまされません。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
勘「この阿魔ふてえあまだ、大金を出して抱えて来たものを途中から逃げさせておたま小法師こぼしがあるものか、オイとっさん、此奴こいつのいう事アみんな嘘だ、おめえだますんだぜ、ハヽヽヽヽ」
政吉 狐め、だましゃがるない。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「あほらしい。シカゴは既に日本軍の手に落ちて、自治委員会が出来ているというじゃないか。お前さんは、わしを偽瞞だましに来なすったか」
生温かい小春日和びより、午後の陽は縁側に這つて、時々生き殘つたあぶだまのやうに飛んで來る陽氣でした。
狂い果てた相手をだまして、かたきの子をわが手に抱き取りはしたものの、そして、西も東もしらない、頑是がんぜなく、いたいけなこのむつきの子供に、罪も怨みもないと
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あの婆さんを、半ちゃんが往って、だましてれて来るのだ、それで婆さんを伴れて来たら、今度はあの色男を伴れて来るのだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
親爺は一寸の間沈默だまつてゐた。風が出たとみえて、ざあつと板屋根に吹きつけてゐる雨の音がはつきりしてきた。
(旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
振り返り見れば紋十郎が仁王のように立ちはだかり、ご老師ご発明の投げ爆弾だまへ口火を付けて振りかざし、この私の胸のあたりを狙っているではござりませぬか
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かきあみとは攩網すくひだまなり、鮏をすくるをいふ。そのすくだまの作りやうは又ある木のえだげあはせて飯櫃いひびつなりに作りこれにあみふくろをつけ、長きありてすくふたよりとす。
ある気狂い女が夢中になって自分の子の生血を取てお金にし、それから鬼に誘惑だまされて自分の心を黄金こがねに売払ったという、恐ろしいお話しを聞いて、僕はおっかなくなり
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
「御前がくうと邪魔だまになる」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)