だま)” の例文
今度はだまして追払う積りなんだろう。そんな事をしたって、乃公は直ぐに帰って来る。彼の目の動かない訳が分るまでは今夜は寝ない積りだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ところが己がわきの女に掛り合った所から、かゝアが悋気りんきを起し、以前の悪事をがア/\と呶鳴どなり立てられ仕方なく、旨くだまして土手下へ連出して、己が手に掛け殺して置いて
こすいものにはだまされ、家禄放還金の公債もきあげられ、家財を売りぐいしたり、娘を売ったり、やり一筋の主が白昼大道にむしろを敷いて、その鎗や刀を売ってその日のかてにかえた。
お母さんは真赤になってだましているが、手に負えない。此方の推察が悪いものだから、尋常では通じないと思って
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
具合のいいことに化けようとしてゐる心は、都合よくだまされることに努力します。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
お父さんが抱き止めるようにして、お母さんがお詫をして漸くだました。泣き顔して帰って行ったが、れは屹度ヒステリーになったろう。水は一秒に一哩は確かに走る。狆のお蔭で此事実を発見した。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
老爺じいさんまただまされなければいいが。」
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)