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だま
ふりがな文庫
“
默
(
だま
)” の例文
新字:
黙
中途
(
ちゆうと
)
から
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
した
宗助
(
そうすけ
)
には、
能
(
よ
)
くも
解
(
げ
)
せなかつたけれども、
講者
(
かうじや
)
は
能辯
(
のうべん
)
の
方
(
はう
)
で、
默
(
だま
)
つて
聞
(
き
)
いてゐるうちに、
大變
(
たいへん
)
面白
(
おもしろ
)
い
所
(
ところ
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
默
(
だま
)
れ!
甥
(
をひ
)
の
癖
(
くせ
)
に
伯父樣
(
をぢさま
)
の
妾
(
めかけ
)
を
狙
(
ねら
)
ふ。
愈々
(
いよ/\
)
以
(
もつ
)
て
不埒
(
ふらち
)
な
奴
(
やつ
)
だ。なめくぢを
煎
(
せん
)
じて
飮
(
の
)
まして、
追放
(
おつぱな
)
さうと
思
(
おも
)
うたが、
然
(
さ
)
う
聞
(
き
)
いては
許
(
ゆる
)
さぬわ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
と
愛
(
あい
)
ちやんとは
互
(
たがひ
)
に
暫
(
しばら
)
く
默
(
だま
)
つて
睨
(
にらめ
)
ツ
競
(
こ
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、
終
(
つひ
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
其口
(
そのくち
)
から
煙管
(
きせる
)
を
離
(
はな
)
して、
舌
(
した
)
ッたるいやうな
眠
(
ねむ
)
さうな
聲
(
こゑ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
カピ長 なゝ、なぜぢゃ、
賢女
(
けんぢょ
)
どの!
聰明樣
(
おりこうさま
)
、まゝ、お
默
(
だま
)
りなされ。
喋々語
(
べちゃつ
)
きたくば、とっとゝ
彼方
(
あち
)
へ
往
(
い
)
て、
冗口仲間
(
むだぐちなかま
)
と
饒舌
(
しゃべ
)
れ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あゝ、
之
(
これ
)
が
一生
(
いつしやう
)
の
別
(
わか
)
れとなるかも
分
(
わか
)
らぬ。
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
默
(
だま
)
つて
吾等
(
われら
)
兩人
(
りやうにん
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
め、
力
(
ちから
)
を
込
(
こ
)
めて
吾等
(
われら
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
ロチスター氏は優しく
眞面目
(
まじめ
)
に私を見つめながら默して坐つてゐた。
默
(
だま
)
つたまゝでしばらくの時が經つた。とう/\彼は口を切つた——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
斯
(
か
)
うだこた
此
(
こ
)
れ、
默
(
だま
)
つてりや
隣近所
(
となりきんじよ
)
でも
分
(
わか
)
んねえもんだが
勘次等
(
かんじら
)
えゝ
暫
(
しばら
)
く
味噌
(
みそ
)
せえ
無
(
な
)
くして
置
(
お
)
くんだから、
一杓子
(
ひとつちやくし
)
も
有
(
あ
)
りやしねえんだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大和尚
(
だいおしよう
)
大笑
(
おほわら
)
ひに
笑
(
わら
)
ひすてゝ、
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ろ、
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ろ、
貴樣
(
きさま
)
などが
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
だわとて
丸々
(
まる/\
)
相手
(
あいて
)
にしては
呉
(
く
)
れず、
朝念佛
(
あさねんぶつ
)
に
夕勘定
(
ゆふかんぢよう
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
や、
巡査
(
じゆんさ
)
が
徐々
(
そろ/\
)
と
窓
(
まど
)
の
傍
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
つて
行
(
い
)
つた、
怪
(
あや
)
しいぞ、やゝ、
又
(
また
)
誰
(
たれ
)
か
二人
(
ふたり
)
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
に
立留
(
たちとゞま
)
つてゐる、
何故
(
なぜ
)
默
(
だま
)
つてゐるのだらうか?
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
來
(
き
)
たら
宜
(
よろ
)
しく
被仰
(
おつしやつ
)
て
下
(
くだ
)
さい、』と
僕
(
ぼく
)
が
眞實
(
ほんたう
)
にしないので
娘
(
むすめ
)
は
默
(
だま
)
つて
唯
(
た
)
だ
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
た。お
絹
(
きぬ
)
は
此娘
(
このむすめ
)
と
從姉妹
(
いとこどうし
)
なのである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
以て私しへ仰せ
聞
(
きけ
)
らるゝやと申立るを越前守殿
聞
(
きか
)
れ
默
(
だま
)
れ長庵其
砌
(
みぎ
)
りは
確然
(
しか
)
とした證據人の
無
(
なか
)
りし故なり此度は其
節
(
せつ
)
の證據人と對決申し付る間其時
有無
(
うむ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
聞
(
き
)
きでないかあのもの
靜
(
しづ
)
かな
筧
(
かけひ
)
の
音
(
おと
)
を。
見
(
み
)
る
通
(
とほ
)
りに
雪
(
ゆき
)
は
眞白
(
ましろ
)
く
山
(
やま
)
に
積
(
つも
)
つてゐる。そして
日蔭
(
ひかげ
)
はあらゆるものの
休止
(
きうし
)
の
姿
(
すがた
)
で
靜
(
しづ
)
かに
寒
(
さむ
)
く
默
(
だま
)
りかへつてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
其處
(
そこ
)
をよく
辨
(
わきま
)
へて、
正
(
たゞ
)
しく
働
(
はたら
)
いて
貰
(
もら
)
ひたい。
爪
(
つめ
)
の
垢
(
あか
)
ほどでも、
不正
(
ふせい
)
があつたら、この
但馬
(
たじま
)
は
決
(
けつ
)
して
默
(
だま
)
つてゐない。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
しかも、肩とか
胸
(
むね
)
とかの高くなつてゐる
部分
(
ぶゞん
)
に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなつてゐる部分の影を一
層
(
そう
)
暗
(
くら
)
くしながら、永久に
唖
(
おし
)
の如く
默
(
だま
)
つていた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僧
(
そう
)
は
默
(
だま
)
つて
立
(
た
)
つてゐるので
閭
(
りよ
)
が
問
(
と
)
うて見た。「わたしに
逢
(
あ
)
ひたいと
云
(
い
)
はれたさうだが、なんの
御用
(
ごよう
)
かな。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
どうもそんな時はしかたがないから、
默
(
だま
)
つて、おこがましいが、土地ツ子の代表なやうに拜聽してゐる。
東京に生れて
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
といふ
歌
(
うた
)
を
讀
(
よ
)
みました。
女官
(
じよかん
)
たちは、その
返歌
(
へんか
)
が
出來
(
でき
)
なかつたので、
笑
(
わら
)
つて
嫌
(
いや
)
がらせることもならず、
默
(
だま
)
つて
一人
(
ひとり
)
起
(
た
)
ち、
二人
(
ふたり
)
起
(
た
)
ちして、みな
奧
(
おく
)
へ
逃
(
に
)
げてしまひました。
今昔物語:21 大江匡衡が歌をよむ話
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
誰にも
默
(
だま
)
ツて、此處に引込むでゐて、何か出來た時分に、ポカリ現はれて呉れる………
屹度
(
きつと
)
大向
(
おほむかふ
)
やンやと來る。そこで大手を振ツて阿父の
許
(
とこ
)
へ出掛けて、俺の腕を見ろいさ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「へ、ゝ。」といふだけで、あとは
所
(
しよ
)
つ
中
(
ちう
)
默
(
だま
)
り込んでばかりゐる。どんな女だかまだ見もしないが、どうせこのあたりの汚い
家
(
うち
)
の子で、行儀も何も知らない、
下司
(
げす
)
な子らしかつた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
默
(
だま
)
つて
女
(
をんな
)
を
凝視
(
ぎようし
)
してゐた
男
(
をとこ
)
は、
前
(
まへ
)
とは
全然
(
ぜんぜん
)
異
(
ちが
)
つた
柔
(
やさ
)
しさでいつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
『
默
(
だま
)
つてゐるね。』と
末男
(
すゑを
)
は
退屈
(
たいくつ
)
さうに
云
(
い
)
つた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
しんと
默
(
だま
)
つてしんと默つて顫えてゐやる。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、あはれや
夕飯
(
ゆふめし
)
兼帶
(
けんたい
)
の
臺
(
だい
)
の
笊
(
ざる
)
に
箸
(
はし
)
を
投
(
な
)
げた。
地
(
ぢ
)
ものだと、
或
(
あるひ
)
はおとなしく
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
たらう。が、
對手
(
あひて
)
がばらがきだから
堪
(
たま
)
らない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
宗
(
そう
)
さん
怒
(
おこ
)
つちや
不可
(
いけ
)
ませんよ。たゞ
叔父
(
をぢ
)
さんの
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
りを
話
(
はな
)
すんだから」と
叔母
(
をば
)
が
斷
(
ことわ
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
默
(
だま
)
つてあとを
聞
(
き
)
いてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
愚物
(
ばか
)
だわねえ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
で
齒痒
(
はがゆ
)
さうに
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
しましたが、『
默
(
だま
)
れ!』と
白兎
(
しろうさぎ
)
が
叫
(
さけ
)
んだので、
急
(
いそ
)
いで
止
(
や
)
めました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
カピ長
默
(
だま
)
れ、むが/\むが/\と、
阿呆
(
あはう
)
め!
其許
(
おぬし
)
の
御託宣
(
ごたくせん
)
は、
冗口仲間
(
むだぐちなかま
)
と
酒
(
さけ
)
でも
飮合
(
のみあ
)
ふ
時
(
とき
)
に
被言
(
おしゃ
)
れ、こゝには
用
(
よう
)
は
無
(
な
)
いわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
やがて
彼等
(
かれら
)
は
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
の
藁屑
(
わらくづ
)
を
土間
(
どま
)
へ
掃
(
は
)
きおろしてそれから
交代
(
かうたい
)
に
風呂
(
ふろ
)
へ
這入
(
はひ
)
つた。お
品
(
しな
)
はそれを
見
(
み
)
ながら
默
(
だま
)
つて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
幾百萬の人々は私よりはもつと
靜止
(
せいし
)
した生涯に運命づけられてゐる、また幾百萬の人々は彼等の運命に
默
(
だま
)
つて反抗してゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
二人
(
ふたり
)
は
默
(
だま
)
る。
厨房
(
くりや
)
からダリユシカが
鈍
(
にぶ
)
い
浮
(
う
)
かぬ
顏
(
かほ
)
で
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
爲
(
し
)
て、
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かうと
戸口
(
とぐち
)
に
立留
(
たちどま
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたくし
)
は
默
(
だま
)
つて
點頭
(
うなづ
)
くと
夫人
(
ふじん
)
は
靜
(
しづか
)
に
立上
(
たちあが
)
り『
皆樣
(
みなさま
)
のお
耳
(
みゝ
)
を
汚
(
けが
)
す
程
(
ほど
)
ではありませんが。』と
伴
(
ともな
)
はれてピアノ
臺
(
だい
)
の
上
(
うへ
)
へ
登
(
のぼ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ては
際限
(
さいげん
)
もなく
募
(
つの
)
つて
夫
(
そ
)
れは
夫
(
そ
)
れは
癖
(
くせ
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひます、
第
(
だい
)
一は
婢女
(
をんな
)
どもの
手前
(
てまへ
)
奧樣
(
おくさま
)
の
威光
(
ゐくわう
)
が
削
(
そ
)
げて、
末
(
すゑ
)
には
御前
(
おまへ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
く
者
(
もの
)
もなく
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先刻
(
せんこく
)
より主税之助は聞居たりしが
耐
(
こら
)
へ兼
默
(
だま
)
れ平左衞門今となりて然樣なる儀を
口賢
(
くちかしこ
)
くも申が
此度
(
このたび
)
の事は皆其方の
勸
(
すゝ
)
めしに非ずや然すれば
此惡事
(
このあくじ
)
の元は其方なり夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
打つて下さらないのは不平ですけれど、それは特別に
默
(
だま
)
つてゐて上げます。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
問
(
と
)
はれなければ
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
問
(
と
)
はれても
言
(
い
)
ふて
益
(
えき
)
なき
仲間
(
なかま
)
に
向
(
むか
)
つては
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。けれども
諸君
(
しよくん
)
の
如
(
ごと
)
き
教育
(
けういく
)
高
(
たか
)
き
紳士
(
しんし
)
に
問
(
と
)
はれては
實
(
じつ
)
に
眞面目
(
まじめ
)
に
僕
(
ぼく
)
は
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
の
出身
(
しゆつしん
)
といふことを
公言
(
こうげん
)
するのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
默
(
だま
)
つて
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
つた。その
眼
(
め
)
には
涙
(
なみだ
)
がいつぱいに
溜
(
たま
)
つた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
默
(
だま
)
つて縫ふ女の髮が
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「えゝ
爲
(
し
)
てよ」と
柱時計
(
はしらどけい
)
を
見
(
み
)
ると、もう
四時
(
よじ
)
近
(
ちか
)
くである。
御米
(
およね
)
は「
四時
(
よじ
)
、
五時
(
ごじ
)
、
六時
(
ろくじ
)
」と
時間
(
じかん
)
を
勘定
(
かんぢやう
)
した。
小六
(
ころく
)
は
默
(
だま
)
つて
嫂
(
あによめ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
てゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
オペラバツグを
提
(
さ
)
げて、
飛模樣
(
とびもやう
)
の
派手
(
はで
)
な
小袖
(
こそで
)
に、
紫
(
むらさき
)
の
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
た、十八九の
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
が、
引續
(
ひきつゞ
)
いて、
默
(
だま
)
つて
其
(
そ
)
の
傍
(
わき
)
へ
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
ける。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
何
(
ど
)
れ
程
(
ほど
)
それが
激
(
げき
)
した
心
(
こゝろ
)
に
忌々敷
(
いま/\しく
)
くても
其
(
そ
)
れを
窘
(
たしな
)
めて
叱
(
しか
)
つて
遣
(
や
)
る
何
(
なん
)
の
手
(
て
)
がかりも
有
(
も
)
つて
居
(
を
)
らぬ。三
人
(
にん
)
は
只
(
たゞ
)
默
(
だま
)
つて
歩
(
ある
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
皆
(
みん
)
な
他
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
が
全
(
まつた
)
く
默
(
だま
)
つて、
極
(
きは
)
めて
不快
(
ふくわい
)
な
容貌
(
かほつき
)
をしてゐるにも
拘
(
かゝは
)
らず、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
一人
(
ひとり
)
で
饒舌
(
しやべ
)
つて
居
(
を
)
られました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
乳母 はい/\、
默
(
だま
)
りまする、でもな、
笑
(
わら
)
はいではをられませぬ、
啼
(
な
)
くのを
止
(
や
)
めて、「
唯
(
あい
)
」と
言
(
い
)
はッしゃったと
思
(
おも
)
ふと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
騷々
(
さう/″\
)
し過ぎます、グレイス。」とフェアファックス夫人は云つた。「
吩咐
(
いひつけ
)
を守るんですよ。」グレイスは、
默
(
だま
)
つてお辭儀して、這入つていつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夫
(
そ
)
れは
何
(
ど
)
ういふ
子細
(
しさい
)
でと
父
(
ちゝ
)
も
母
(
はゝ
)
も
詰寄
(
つめよ
)
つて
問
(
とひ
)
かゝるに
今
(
いま
)
までは
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたれど
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
の
夫婦
(
めをと
)
さし
向
(
むか
)
ひを
半日
(
はんにち
)
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さつたら
大底
(
たいてい
)
が
御解
(
おわか
)
りに
成
(
なり
)
ませう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
云
(
い
)
つて、
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れ、
默
(
だま
)
つてゐて
呉
(
く
)
れとは
彼
(
かれ
)
には
言
(
い
)
はれぬので、
凝
(
じつ
)
と
辛抱
(
しんばう
)
してゐる
辛
(
つら
)
さは一
倍
(
ばい
)
である。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
殺すべきや殊に憑司父子の者は私し
親類
(
しんるゐ
)
に御座候へば何故
意恨等
(
いこんなど
)
を
含
(
ふく
)
み申さんやと云ふを
默
(
だま
)
れ汝人を殺さぬ者か
衣類
(
いるゐ
)
の
裾
(
すそ
)
に
血
(
ち
)
を付け其の上我が入口の飛石へ血の
跡
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
言
(
い
)
ひ
終
(
をは
)
つて、
少年
(
せうねん
)
が
默
(
だま
)
つて
點頭
(
うなづ
)
くのを
笑
(
え
)
まし
氣
(
げ
)
に
打
(
う
)
ち
見
(
み
)
やりつゝ、
他
(
た
)
の
三人
(
みたり
)
を
促
(
うなが
)
して
船室
(
キヤビン
)
を
出
(
で
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ラクダルは
此
(
こ
)
の
樣
(
さま
)
をぢろり
横目
(
よこめ
)
で
見
(
み
)
たが、
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
默
(
だま
)
つて
聞
(
き
)
きねえ、
厭味
(
いやみ
)
も
可
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
云
(
い
)
つて
置
(
お
)
け。
此方
(
こつち
)
は
其處
(
そこ
)
どころぢやねえ、
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
つか
立
(
た
)
たないかと
云
(
い
)
ふ
羽目
(
はめ
)
なんだぜ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なに
)
か
驚
(
おどろ
)
かせるが
苦
(
く
)
るしさに
結局
(
つまり
)
いはねばならぬ
事
(
こと
)
を
今日
(
けふ
)
までも
默
(
だま
)
つて
居
(
お
)
りしなり、三
年
(
ねん
)
か五
年
(
ねん
)
で
歸
(
かへ
)
るつもりなれども
其
(
その
)
ほどは
如何
(
どう
)
か
分
(
わか
)
らねばまづ
當分
(
たうぶん
)
お
別
(
わか
)
れの
覺悟
(
かくご
)
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
言
(
い
)
ふうちに、フト
其
(
そ
)
の(おなごり)と
云
(
い
)
つたのが
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて、
此
(
これ
)
だと
前方
(
さき
)
の
言葉通
(
ことばどほ
)
り、
何
(
ど
)
うやら
何
(
なに
)
かがおなごりに
成
(
な
)
りさうだ、と
思
(
おも
)
つて
默
(
だま
)
つた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
默
部首:⿊
16画
“默”を含む語句
沈默
默止
默然
緘默
默頭
默言
默祷
緘默行
默々
默禮
默認
默示録
默託
默拜
默阿彌
默首
默默
默止難
默會
押默
...