“口賢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちがしこ31.3%
くちさかし18.8%
くちかしこ12.5%
くちさか12.5%
くちさが12.5%
くちざか6.3%
くちざかし6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なんじゃ、あの法師めは、盲というものは口賢くちがしこいことをいうから嫌いだ」牛飼の男が、つぶやいた時、たわむれ合っていた稚子ちごたちが
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肉食にくじきはする、酒はのむ、あまつさえ弟子善信には、妻帯の媒立なかだちまでしたという売僧まいす法然、口賢くちさかしく、女人教化きょうげなどと申しおるが、その実いかがやら、まさしく仏教の賊、末法の悪魔」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先刻せんこくより主税之助は聞居たりしがこらへ兼だまれ平左衞門今となりて然樣なる儀を口賢くちかしこくも申が此度このたびの事は皆其方のすゝめしに非ずや然すれば此惡事このあくじの元は其方なり夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さてさて、そちもなかなか口賢くちさかしゅうなって来たな。人はたれも正しからんとし、正しいと号しているのだ。みずから邪悪の軍と思っている者はいない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鬱陶うっとうしそうにおもてなしなさるは、おそばのチンも子爵様も変った事はないとおつきの女中がもうしたとか、マアとりどりに口賢くちさがなく雑談をしました。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
「ほほう、なかなか口賢くちざかしいこと申しおるな。ならば制札通り、禁中、お公儀の御使者だったら、否よのう開門致すと申すか」
口賢くちざかしい敵の舌先に釣りこまれたりなどして、軽々しく打って出てはいけません。あなたの使命はもっと大きい筈でしょう」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)